第14話

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2019/12/31 23:45
森の鶴の一声により
あなたは森とエリスの
“お出掛け”に同行した
勿論、いつ襲撃されるか分からないため
護衛としてついてきたが…

「かわいいなぁ、天使の様だ
 何着てもエリスちゃんは似合う!
 あっ店員さん、奥にある服を試着しても?」
「もうっこれで何着目?
 疾くお菓子屋さんに行きたい!」
「あともうちょっと!
 さっとでいいからぁー」

建物ごと消す事が出来る異能である為
どこにいようが危険であることに変わらない
しかし、首領の護衛という事から
緊張感があってもいい筈だが
そこには和やかなやり取りのみだった

「あなたちゃん!
 こっちとこっちどっちがいいかな?」
『…んーどちらもエリスさんに
 お似合いかと…』
「だよねー!
 どっちも買っちゃおう!」
「もうっまたー⁉」

ドレスの大量購入をし幸せそうな森と
買いすぎと怒るエリスを見ながら
あなたは周囲の警戒をしていたが
襲撃は起きなかった

ショッピングを楽しんだ後は
エリスとの約束だったお菓子屋に向かって行った

「お菓子屋さんどこー?」
「少し先の角を曲がった処だよー」
『……』
「あなたちゃん、あなたちゃん」
『…!あっはい』
「そんなに気を張らなくても大丈夫だよ?」
『えっ?でもいつ襲撃されるか…』
「来る時は来るからね」
『…?』

あなたが不思議そうな顔をしながら
次の角を曲がった瞬間異変が起こった

先に角を曲がって行った
エリスが居なくなったのだ

「あれ?エリスちゃん?」
『エリスさん?もしかして…!』
「兎に角探そう!」

早歩きで2人は周りを見渡しながら
エリスを探した
「エリスちゃーん、どこだーい」
『エリスさーん!』

大通りの交差点近くまで来た時
あなたと森は嫌な気配を感じ始めた

「…来たみたいだね」
『はい…、如何しますか?』
「私はこのままエリスちゃんを探すよ
 君は迎え撃ってくれるかい?」
『了解です
 私が居ない間はどうかお気をつけて』
「うん、あなたちゃんも
 無理は禁物だよ?」
『分かりました』

お互い顔を合わせて
森は人混みの中に消えて行った

『…作戦開始です』

そう呟く彼女の声は
雑踏の声により掻き消された

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