第35話

3ー7
2,022
2020/01/17 02:14
中也side

「ふふっ
 あなたちゃんのほっぺ柔らか~い」
『んー…』

茉莉があなたの頬を触って遊び始めた
あなたは擽ったそうにしながら笑っている

……茉莉の奴
俺の存在を完全に無視する気だなぁ⁉

あなたは茉莉にふにふにと
触られながら俺の方を見た

『ぁ…中也さん
 報告ありがとうございます
 行けなくてすみません』
「おう、気にすんな
 其れより怪我の方は如何だ?」
『傷は浅いみたいなので大丈夫です』
「そうか…無理すんなよ?
 つうか、茉莉
 其れいつまでやってるつもりだ?」
「あら、まだいたの?」
「おい⁉」

やっぱりか……

「お前、他の奴にもそんな態度なのかぁ?」
「何のこと?
 私は普通にしてるけど?」
「じゃあ何で
 俺とあなたで扱いの差が
 んなデケェんだよ?」

俺の質問に対し
茉莉は少し目を見開き
すかさず答えた

「男が嫌いだから」
「堂々と云うことじゃねぇだろ…
 男多いのに何で此処で働いてんだよ⁉」

マフィアは大体男社会が殆どで
ポートマフィアも例に漏れず
あんまり女はいねぇ筈だが…

「だって…
 此処にはあなたちゃんがいるし
 樋口ちゃんと姐さんがいるもの!
 辞められないわー」
「…聞いた俺が馬鹿だったわ」
「ちょっと!」

そう此奴は…
医療班班長でありながら
男嫌いだと公言する
少し…いや
かなり変わった奴だ

元医者の首領も云うほど
腕は良いらしいが
男相手だと随時こんな感じな為
少し頭が痛くなる

「はぁ……あなた
 明日の作戦が決まったから
 移動しようぜ」
『分かりました』
「えーもう行っちゃうの?
 まだちょっとしか
 あなたちゃんに触ってなーい
 やっと久しぶりに会えたのに…」
『すみません、茉莉さん
 仕事があるので…』
「本当に真面目ちゃんだなぁ
 仕方ないか…
 また遊びに来てね
 今度は甘い物も用意して待ってるから」
『はい!
 ありがとうございます』

渋々納得した茉莉はあなたを離した

これでやっと仕事に戻れる…
少し一息吐いた処で
引き止められた

「あっ!あなたちゃん」
『はい?』
「其処の幹部になんかされたら
 すぐ私の処に来るのよ?
 刺しに行くから!」
『えっ⁉』
「するかぁ!」

はぁ…
任務よりどっと疲れた気がするなぁ

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