第11話

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2019/12/29 09:41
中也side

会議が終わり、A は静かに出て行った
会議室に4人だけになった所で
俺は首領と姐さんに目を合わせた

「首領、姐さん、
 会議中に怒鳴ってしまってすみません」
「気にしなくていいよ
 君の気持ちはよく分かるし
 今回は君が正しかったと思うよ」
「全くじゃ
 中也が云わなかったら
 私が怒鳴りつけておったわ」
「紅葉くんが怖いよぉ」
「情けない声出すでない」

自分で作っちまったことだが
さっきとは違い少し和やかな雰囲気になった
少し安堵しているとあなたが口を開いた

『あの…私のせいで…すみません』

悲しげな表情で謝罪をするあなたに
姐さんが後ろから抱きしめた

「そんな表情をするでない
 お主はなんも悪くないんじゃから
 ……思い出したら、また腹が立ってきたわ
 やっぱりもう一度怒鳴りつけに行くかのぉ…」
『いやぁ…流石にもう…』
「冗談じゃ
 あの男に構うより
 あなたといた方が有意義じゃからの」

姐さんのおかげであなたに笑顔が戻ってきた
流石姐さんというか
女同士だからっていうのもあるんだろう

「あっそうだ、半年振りに揃ったんだから
 久しぶりに夕飯を皆で食べようか」
「鴎外殿もたまには良いことを云うのぉ」
「“たまに”って……
 私はいつも良いこと云ってるよ?」
「そうかのぉ?」

姐さんが首領を少しからかっている
様子を見ているあなたはクスクスと笑っていた

「じゃあ、いつもの部屋で
 料理と酒を用意しますね」
「ありがとう
 久しぶりに中也くんの
 おいしいお酒が飲めるねぇ」

時間など諸々のことを
決めた後に
首領と姐さんと別れた

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