「じゃあ、また会議でな」
『はい』
ポートマフィアの本拠ビルに戻り
2人はそれぞれの執務室に向かった
あなたは今回のアメリカの殲滅任務
それから首領に頼まれていたもう一つの
仕事についての報告書を書き上げていた
準備が終わり
会議室に向かおうとすると
扉のノックが鳴った
『はい、どうぞ』
「邪魔するぞ、あなた」
『あっ、姐さん!』
久しぶりの再会であなたは
嬉しそうに紅葉の元に駆け寄った
「久方ぶりじゃのぉ
元気そうで何よりじゃ」
『ありがとうございます!
姐さんもお変わりなくて良かったです』
「会議の準備はできたかえ?」
『はい、さっき終わったので今から向かおうと…』
「なら、共に行こうか」
あなたと紅葉は会議室に向かいながら
任務での出来事や中也と食事したことを話した
紅葉は嬉しそうに話すあなたに
耳を傾けながら
妹のように可愛がっている彼女に
優しい表情を見せていた
会議室に着くと
いくつかの班や隊の長を務める人たち、
中也とAがすでに席に着席していた
幹部である2人の到着を見た
中也とA以外の人たちは立ち上がり
「紅葉様、あなた様、お疲れ様です」
と堅苦しい挨拶をした
『お疲れ様です
楽にしてて大丈夫ですよ』
「そうじゃ、堅苦しくせずとも良い」
首領と幹部が揃った会議であるため
一部の人間は緊張していたが
2人の言葉で肩の力を
少しぬくことができたようだった
組織内で2人をよく知る人間は
慕っている者が多い
特にアリスは幹部内で最年少で
幹部派閥を作っていないが
任務を共にしたり
実力を知っていることから
構成員の中では好評価である
また、彼女の笑顔で癒される
ということも人気の一つだった
しばらくして
会議の時間になると扉が開き
「皆、揃ったみたいだね」と云いながら
首領が入室した
首領の着席と挨拶が済んだところで
定例会議が始まった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!