第34話

3ー6
2,030
2020/01/14 13:37
中也side

首領への報告を終え
あなたを迎えに医務室前まで来た

処置中だと不味いと思い
軽く扉をノックしてみるが返事がねぇ…

「おい、俺だ
 入るぞー?」
「………」

無視かよ⁉︎
居留守のつもりかぁ?

「入るからなぁ!」

少し苛立ちを声に出し
思いっきり扉を開けると
光った何かが飛んできた

「うぉっ⁉︎」

反射的に横に避け
背後の壁を見ると
医療用メスが突き刺さっていた

「チッ外したか…」
「あっぶねぇだろうが‼︎
 部屋入る度に
 毎度毎度メスを投げるの止めろ、茉莉!」
「うっさいわよ、ヘボ幹部!」

横柄に脚を組んで座り
不満げに俺を見る
医療班班長_茉莉がいた

「大体アンタが側に居たのに
 何であなたちゃんだけが怪我するのよ!
 このっ役立たず!」
「其れは悪かったと思ってる…って
 何であなたじゃなくて
 手前に謝んなくちゃなんねぇんだよ⁉︎」
「そもそもあなたちゃんを傷つけた野郎は
 何処の何奴なの?
 ちゃんとトドメ刺したんでしょうね?」
「殺ってねぇよ!」
「はぁ⁉︎」

此奴に会う度
口喧嘩が始まっている事に
内心溜息を吐いていると
奥から扉が開閉する音が聞こえた

目をやると
新しい服に着替えた
あなたが出て来ていた

『あの…2人とも喧嘩は…』

困った様な顔をするあなたに
茉莉が素早く振り向いた

「あーごめんね、あなたちゃん
 喧嘩はもうしないから
 そんな顔しないでー」
『……本当ですか?…」
「うんうん」

俺と話す時と打って変わって
優しい口調と顔しやがる茉莉に
呆れを感じる

…つうか
相っ変わらず変わり身が早ぇなぁおい!

「あーもうその服も可愛いー
 本当にあなたちゃんは何着ても可愛いわ!
 今度ショッピング行きましょ」
『えへへ、ありがとうございます
 最近は時間が合わなくて
 行けなかったから楽しみです』
「ふふ」

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