第36話

3ー8
1,986
2020/01/18 14:54
中也side

薄暗い道の中
コツコツと2人分の足音を
鳴り響かせていた

昨日の
放射性追跡元素(スカンジウムマーカー)の地図から
探偵社が隠れた場所は通常入口が存在せず
侵入にはこの地下の廃路線を
通るしかない事が分かった

だから、俺達は
現在使われている通常路線を通って
廃路線まで来ていた

『ふふっ
 線路の上を歩くのって滅多にないから
 少し楽しいです』
「暗いんだから
 足元、気をつけろよ?」
『はい
 …んーそろそろでしょうか?』
「あぁ…
 カメラが増えてきてるしな」

辺りを見回しながら歩く中也の無線に
ザザ、と雑音が流れ通信が入った

「…中也君、聞こえるかい?」
「はい、首領」
「2人共、準備は善いかい?」
「完了しています」
「そちらは探偵社を粉砕するのに
 十分な戦力規模だ
 とびきりの旋律を期待しているよ」
「はい」


首領との通信を切り
俺たちは更に先へ進んだ

段々と機械音が大きくなったことにより
探偵社の拠点に近づいているのが判る

ただ幾ら進んでも奴らが出てこないので
煽りで異能を使い
監視カメラを壊しながら
更に歩いた

すると廃線の各所に仕掛けられた
自動銃座の赤い光線が
俺らに照準を当てた

『あれって…』
「あ?」

こんなものまで用意してるとは思わず
少し驚き立ち止まったが…

そんなんで俺らを止められる訳がねぇ

少し異能に意識を持っていけば
銃座は前触れ無く爆発した

『…カメラと銃が勿体ない』
「いや……
 敵の経済面を気にしてたらキリねぇだろ」

あなたの勿体ない発言に
少し苦笑いしながら
生きている監視カメラに目を向け
探偵社に声をかけた

「特使の接待役がこんな木偶とは
 泣かせる人手不足じゃねぇか探偵社…
 生きてる奴が出て来いよ!」

さて…
こっからが本番だな

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