撮影後キャストの皆さんと飲みに行ったあの日。
賢人は撮影からくるプレッシャーで飲みまくった。
酒に弱いのにも関わらず。
ひとつため息をつく。
撮影を通じてプライベートも仲が良くなった
涼真が隣に座る。
酔っ払っているのか、賢人は涼真の肩に頭を置く。
今まで以上にドキッとした。
賢人は泣いていた。
見ればわかるのに泣いていることを聞く
ことしか出来なかった。
賢人は涼真に悩みを全て話した。
涼真は「うんうん。」と言って話を聞いてやった。
賢人は首を横に振った。
涼真は心の中でこう思った...
「可愛いところあるじゃん」って。
「もっと俺に頼って、甘えて来い」って。
賢人は心の中でこう思った...
「カッコいいところあるじゃん」って。
「涼真に頼って、甘えてみるのもいい」って。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!