一郎があなたの髪を耳の上辺りで二つに結う。完成した髪型を見て満足そうにあなたは笑った。
一郎は妹にデレデレだった。
部屋のドアを開きそっと中に入った。
寝台で横になっている人物の顔を覗きこむ。
起こそうと声を出したが既に起きていた。
ぱっちりとした大きな瞳と目線が合う。
ニコニコしているあなたの頭を三郎が優しく撫でる。
あなたは部屋を出て二郎の部屋に向かった。
二郎は二人と違って起こし方が少し違う。
大声を出してモーニングコールをするが二郎の耳には全く届かず、すやすやと寝息を立てている。
あなたは二郎の鼻を摘まみ、口を閉じさせた。
数十秒後に少し唸った後、勢い良く開眼し体を起こし咳き込んだ。
二郎はあなたに抱きつき頬擦りをする。
あなたに怒気は感じない様だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。