第47話

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2021/07/29 11:02



《場所は変わって某ファミレス店》

白膠木簓
白膠木簓
其れにしてもお二人さんでお出掛けとは珍しいなぁ。


簓は頬杖をつきながらメロンクリームソーダを飲んでいた。



躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
いや、俺は学校で使う備品を買っとただけや。そしたら零を見かけてな。
天谷奴零
天谷奴零
俺は仕事帰りだったからな。
白膠木簓
白膠木簓
へ〜。仕事帰りね…。


じとーっした目付きで簓は零を見て、ストローで飲み物をぶくぶくとしていた。




あなた

ささらさん!おぎょうぎ悪いからダメだよ!

白膠木簓
白膠木簓
!ごめんなさい…。
躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
そうやで簓。


「ところで。」と言い、咳払いしながら盧笙はあなたに目線をおく。




躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
その子はどうしたん?
白膠木簓
白膠木簓
あなたの事か?
天谷奴零
天谷奴零
其れは俺も気になるな。
真逆本当に誘拐したんじゃねぇだろうな。
白膠木簓
白膠木簓
二人にとって俺ってどう見えとんねん。
白膠木簓
白膠木簓
判っとると思うけど絶対に誘拐じゃないからな!
白膠木簓
白膠木簓
この子は俺の知り合いの妹の山田あなたちゃん。兄ちゃんの仕事の関係で今預かっとんねん!
白膠木簓
白膠木簓
なっ!あなたちゃん!
あなた

うん!そうだよ!



「ねーっ!」と言い合いニコニコしている二人を見て納得した様だった。




白膠木簓
白膠木簓
まっ、こんなに可愛い子がおったら誘拐したくなる気持ちも判らなくもないけどな。


しみじみと思いながら言った簓を盧笙がシバくまで、そう時間は掛からなかった。




躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
お前なんか危険な臭いがするで…。
白膠木簓
白膠木簓
えっ?!
あなたちゃん、俺から変な臭いするか?
あなた

んー、特にしないよ。

躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
そういう意味じゃないはボケ。
躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
はぁ…零からも簓に言ってやってくれんか。


盧笙は零に助けを求めていたが、零は我関せず珈琲を頼んでいた。



天谷奴零
天谷奴零
ん?何か言ったか?
躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
人の話しを聞かんかい!
はぁ…もうええわ。


盧笙は、本日何度目かも判らない溜息を盛大に吐いた。




天谷奴零
天谷奴零
まぁそうかっかなんなって。
お嬢ちゃん、何か食べたいものあるか?
あなた

んー、おすし!

白膠木簓
白膠木簓
あなたちゃん、此処に寿司は売ってせえへんよ。
あなた

え〜っ!何で!

白膠木簓
白膠木簓
ごめんな〜。


しょんぼりと俯くあなたの頭をぽんぽんと撫でた。



あなた

…でもたしかに此処はおさら回ってこない。

躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
ファミレスやもんな。
白膠木簓
白膠木簓
寿司はないけどパフェならあるで!簓さんと一緒にパフェ食べような!
あなた

うん…。

天谷奴零
天谷奴零
……………。
躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
ん、いきなり立ち上がってどうした零?
天谷奴零
天谷奴零
店出るぞ。
白膠木簓
白膠木簓
えっ?何で?
天谷奴零
天谷奴零
食べたいんだろ、寿司。
あなた

!…うん。

天谷奴零
天谷奴零
なら決まりだな。


零はサングラス越しにあなたと目を合わせ薄く微笑んだ。



天谷奴零
天谷奴零
ほら、さっさと会計済ませるぞ。
躑躅森盧笙
躑躅森盧笙
えっ、ええんか?
天谷奴零
天谷奴零
問題ないぜ。まぁ、行く店の寿司は回ってないけどな。



「「マジか。」」




簓と盧笙は、文字通り開いた口が塞がらなかった。






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