目を開くと何時もとは違う天井があった。
辺りを見渡して兄達を探したが此処にはいなかった。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると部屋の中から誰かが入ってきた。
高熱で寝込んでいたあなたは、すっかり元気になって今はベッドの上でごろごろしていた。
寂雷はあなたの姿を見た後、病室を出ようとした。が…
白衣の袖口を摘まんで懇願する。
寂雷は少し悩み、あるアイデアを思いついた。
あなたは嬉しそうに目を輝かせていた。
寂雷は部屋を出ていった。
普通はこんなこと絶対にしないのだが何故かあなたのためならと思ってしまったようだ。
数十分後に病室に寂雷は誰か引き連れて入ってきた。
寂雷はあなたを見て少し微笑むと病室から出ていった。
一二三と独歩は少し困っていた。
いくら寂雷からの頼みだと言っても子どもにどう接すれば良いかわからなかった。
独歩は取り敢えず自己紹介をしようと思い名刺を差し出した。
あなたは名刺を少し眺め独歩の名前を呟いた。
ニコニコしながら独歩を見上げていた。
あなたは名刺と独歩を交互に見ていた。
少し照れ臭そうに口角をあげていた。
あなたはピカピカに輝く一二三の名刺も宝物だと言い、大切そうに独歩の名刺と一緒に鞄の中に閉まった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。