三郎に呼ばれ、側に駆け寄る。其処には一郎と二郎もいた。
そう言われ、渡されたのは小さな携帯機器。
兄弟達は無言で悶絶していた。
二郎は今学校にいる。
ちょうど昼休みの時間で弁当を食べようと準備をしていた。
何時もの事だが、二郎の机上には沢山の可愛い風呂敷に包まれた弁当箱が並んでいた。
食事をしようと箸を取り出した時、スマホから電子音がなった。
着信相手が判った瞬間、即座にメール画面を開き着信内容を見た。
お兄ちゃんへ
べんきょうどうですか?
ちゃんと起きてますか?ねたらダメだからね!
今日のおべんとうの中に入っている玉子やきはお兄ちゃんといっしょに作ったからたべてね!
二郎はメールを読み終えた後、急いで風呂敷を開き弁当箱の蓋を開ける。
少し歪だがとても美味しそうな玉子焼きがあった。
二郎は貰った弁当を返した。
二郎はスマホ画面を同級生のに見せた。
其処には今日撮ったであろう二郎の弁当を持って笑顔で此方を見ているあなたがいた。
二郎は満面の笑みで手を合わせて弁当を食べた。
どうやらあなたは砂糖と塩を間違えて入れてしまったらしい。
二郎は画面に映ったあなたに頬擦りしながら玉子焼きを食べていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。