あなたの頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいた。
独歩は何時もの悪い癖が出ていた。
独歩はうつ向き、項垂れ自分の世界に迷い混んでいた。
その時、ふと頭に何かを感じた。
あなたは独歩の頭を優しく撫でながら何度も唱えていた。
独歩は固まったまま動かず、瞬きばかりしていた。
泣いていた。自分では気付いていない様だがポロポロと涙を溢していた。
あなたは眉を八の字にして独歩の頬に手を当て、涙を拭った。
気づくと独歩はあなたを抱き締めていた。
あなたは独歩を抱き締めながら頭を優しく撫でていた。
独歩は泣きつかれただけでなく日頃の睡眠不足もあって寝てしまった。
椅子にすがって寝息を僅かにたてて寝ていた。
一二三は微笑みながらあなたの頭を撫でた。
あなたは小指を一二三の前に出した。
あなたは一二三に小指を差し出した。
そして、その小指の意味に気付いた一二三はそっとあなたの小指に指を絡めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。