この言葉を最後に動画は終わった。
深く頭を下げると、背中をポンポンと軽く叩きながらマホトさんが口を開いた。
少し微笑みながら言ってくれた。
その途端涙が頬を伝っていくのがわかった。
勢いよく頭を下げると、カンタの目からも大粒の涙が何滴も何滴もボロボロと降っていた。
玄関までマホトさんをトミーは送りに行った。
このときの、トミーの顔は何処か切なげだったとか…。
ゆっくりと扉は閉ざされた。
へきトラさんの動画が上がり、3人でパソコンに向かった。
急上昇ランキングの中へと入っていた、今の話題はこれでほとんどらしかった。コメント欄を見ると
「なに、へきトラまで巻き込んでんの」
などとの怒りのコメントがとても多かった。でも、たまにでて来る優しいコメントがその分見に染みた。
「あの2人永く続くといいな」「さすが、へきトラ優しい〜」私達を応援してくれる声や、へきトラさんを評価するような声。
動画が上がると同時にびっくりするスピードで視聴回数が増え、コメント数も増えていっていた。
「なんでまほっちゃん使うわけ?」
「まほっちゃんもへきトラも私達の気持ち後回しって感じだよね」
「アンチに負けずに幸せになってほしい」
やはり、意見は2つに分かれた。悪いものの方が圧倒的に多くあった。
そういい、私の肩を抱き寄せなだめてくれた。トミーにそう言われるとホッとした、それに本当に大丈夫なんではないかと思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。