第5話

優しい温もり
2,027
2018/11/08 17:31
カンタ
あなた?
あなた

ただただスマホを見つめた。
今日の動画に対して予想通りの感想が並んでいたから…。
あなたうざ。
まほっちゃんからあんなこと言われるとかズル。
トミーとカンタ、先輩なのにタメ口とかなんなの。
あなたって何のために出てんの?
叩くなって2人は言ってるけど、なんか関係怪しい。
動画のコメント欄にもtmitterにも数え切れないほどのアンチ…。
カンタ
あなた!!!
あなた

うわ、!?な、なに?

カンタ
ずっと呼んでた
あなた

あ、ごめんね

カンタ
うん
そして、再びパソコンに向かったカンタの事を見ていた。
スマホを閉じようと思うが、どうしても気になってしまった。
すると、手元からスマホがスッと目の前から上へと消えた。
カンタ
没収。今日の動画楽しかった?
あなた

うん、すごく…

カンタ
なら、いいじゃん、こんなの気にしなくて
あなた

で、でもさ

カンタ
そんなこと言ってて彼女続けられる?無理じゃない?
あなた

わかってるよ、わかってるけどさ

カンタ
なに?
あなた

彼女らしいことしたことあるかなって、思ってさ

カンタ
あー、
あなた

わかってはいるんだけどね、手も繋いだこと無いし外に遊びにも行けないって何か少し寂しくて

カンタ
そうだよね、じゃあさ明日遊びに行こっか
あなた

え?

カンタ
もういいじゃんない?動画見てる人達も感づいてることだし
あなた

いや、ごめん私が変な事言ったからだよね、でも、さすがに、、

カンタ
もう、、気にしなくていいんだって
ぎゅっと締め付けられ、温かいぬくもりと彼の香りが私を包んだ。
そして、体を離し手を力強く握ってくれた。
カンタ
なんかあったら、全力で守るしきっとトミーも飛んできてくれるし大丈夫、俺はねあなたと一緒にいたいんだ、だめかな?明日くらい
あなた

カンタ、、

彼の思いが私の悩みの半分を少しずつ溶かし、穏やかな気持ちになれた。
そして、そっと優しく口づけをしてくれた。
一気に安心感が湧き上がり、何があっても大丈夫な気がした。
そして、カンタのベッドの中温もりを感じながら眠りへと落ちていった。

翌朝、目を開けると可愛い寝息を立てながら眠っている彼の顔が間近にあり、ずっと眺めていた。
そっと目が開いて私のことを認識すると、ふわりと微笑んだ。
カンタ
おはよう
あなた

おはよ

彼の中で交わした挨拶はいつも以上に心地の良い朝だった。

プリ小説オーディオドラマ