…事件から5週間後__
あぁ、僕はまた炎に包まれている。
僕には炎を呼び起こす力でもあるのだろうか?
僕は炎に包まれ、状況が飲み込めず、ただしゃがみこんでいた。
すると、僕を呼ぶ声が一つ…
そして、心配する声が一つ聞こえた。
僕はその時、ロベリアさんやラベンダーさん、アザミさん辺りが来てくれたのかと思った。
しかし、違った。
僕は顔を上げると、僕と同じくらいの歳の全く知らない2人が僕を見ていた。
僕は2人に尋ねた。
すると、2人は顔を見合わせた。
話がまとまり、2人が動き始めようとすると、聞き慣れた声がした。
その声と同時に探偵の緑の人の背後にラベンダーさんが現れ緑の人の顔を蹴った。
緑の人は声も出さず、ただただ壁に打ち付けられていた。
その言葉を紫の人が発すると、アザミさんが紫の人の後ろに現れ、日本刀で切りつけた。
しかし、紫の人はアザミさんの攻撃を短刀で受け止めた。
紫の人は目を笑わせていた。
この状況を楽しんでいるような少し狂った微笑みを…
しかし、すかさずロベリアさんが紫の人に殴りかかった。
物凄い速さで…
それに圧倒されたのか、当たってるはいないものの紫の人は後ろに下がった。
なーんだ。この程度か…。
いや、友達のノリで言うなよ!
僕べつにアザミさんの物ではないですからね!!
ラベンダーさんの苦しみの声が聞こえてきて、僕らはラベンダーさんの方に視線を向ける。
すると、彼の体はズタボロにされ切り傷だらけ。
普通なら死んでいる程の致命傷を負っていた。
このまま?
そう思い、ラベンダーさんをよく見てみるとワイヤーのような物に絡まれていた。
つまり、これによって致命傷を負わされたって訳か。
今度はなんだ???
そう思いながらロベリアさんの方を向くと今度は紫の人がロベリアさんを殴り飛ばしていた。
醜い声と共に鈍い音が室内を満たす。
起き上がると同時にロベリアさんは口から血を流し倒れた。
そして倒れた2人を無視し、2人の探偵は静かに視線をアザミさんに向けた。
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ー次回
番外編 僕の過去〜2人の正体〜
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。