さぁ、反撃かいしだ。
《フュッ》
トガちゃんが、ナイフで斬りかかり、つるぎは突然の出来事に驚き一瞬の隙と動揺を見せた。
トガちゃんがそれを見逃すはずもなくそのまま突進した。
つるぎはそのまま後ろに倒れ込み木に背中をぶつけ倒れ込んだが、すぐに体勢を立て直してトガちゃんに視線を当てた。
しかし、攻撃が来たのは視線とは真逆の方向。
そう、トガちゃんを囮として使ったのだ。
僕の強打でつるぎの体は宙を舞った。
僕は宙に浮かぶつるぎを逃さまいとそのまま殴り続けた。
未奈の意識が戻ったことに気づいた僕は最後に渾身の一撃をつるぎに当てた。
つるぎの体はそのまま崖の岩に当たり、激痛を走らせた。
未奈はすぐに場の状況を把握し、戦闘体勢に入った。
それはトガちゃんも同様であった。
つるぎは立ち上がろうとするが、立ち上がる事が出来ず踠くが努力も虚しく何度も地面に体を打ち付けた。
生まれたての子鹿のように震えながら体を起こそうとするつるぎを見て未奈は涙を浮かべこう言う。
そう言い僕はトガちゃんに視線を送る。
トガちゃんはそれを見て、未奈に薬品(研究所に侵入した際に盗んだやつ)を嗅がせた。
未奈はそのままゆっくりと意識を失った。
トガちゃんは未奈とつるぎの血液を取り力のない言葉を述べる。
こんな他愛もない会話は…今、ヴィラン連合の活動中だと言う事を頭から一時的に消去し、僕らに微笑みを与えた。
その後、トガちゃんは雄英の女子生徒2人に接触し内一人の血液を採取した。
そして、帰りの知らせが来ると襲撃前に決めておいた落ち合い場所に向かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。