あの報道があってから、数日後
友達とカラオケに行った帰り道。
かなり遅い時間だったと思う。
っと、言っても、だいたい8時ぐらいだったかな。
家への近道である、人通りの少ない、脇道を、歩いていると、
突然、鈍い音が聞こえた。
前を見ると、だれかが刃物で刺されているようだった。
僕は、怖くて電柱に隠れてしまった。
すると、声が聞こえてきた。
とても、愛おしくてたまらない声が。
トガちゃんが、刺している人…こう?っていう人は、もう死んでいるようだった。
僕は、彼女が本当にヤンデレ…いや、サイコパスであると知った。
でも、なぜであろうか?
人を刺しているのが、彼女だと知ったとき、僕から、怖いと思っていた感情が消えた。消えてしまった。
初恋の相手と同様に、僕も頭がおかしいようだ。
僕は、トガちゃんに気づかれないように静かに、この路地を抜けた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。