幸せにはいつか終わりがくる。
そう知ったのは小学校を卒業してすぐの冬。
僕と両親はショッピングモールに来ていた。
卒業祝い家族でご飯を食べに来ているのである。
そんな中、僕はトイレに入ると「カチカチ」と、時計の針が動くような音が上からした。
僕は好奇心で洋式トイレを踏み台にして天井裏を覗いた。
すると、時計の取り付けられた何かが置いてあった。
僕の中では「へー。時計をつけた機械を導入してるのか…。どんな機械なんだろう?」とか思っていた。
……これが爆弾だなんて、夢にも思わなかった。
それから1時間程して、食事が終わって、帰ろうとしたとき…
時計の針が七時ちょうどを指す頃に、大きな爆発音が複数回した。
お母さんとお父さんはとっさに個性を発動した。
お母さんの愛を告げるとその人が強くなる個性とお父さんの鉄壁の個性のおかげで家族3人擦り傷程度で済んだ。
だが、爆発だけでは悪夢は終わらない。
銃や刀などの武器や個性を使い武装した人達によって次々に攻撃が行われる。
人はどんどん血を流し倒れて行き…その光景はまさに地獄のようだった。
そう言い、僕と両親は急いで職員入り口に向かった。
そして…そこから外へ出ることが出来た。
警察の服装をした人に保護されて、家族全員安心しきっていた。
でも…その人はすぐそこでテロが行われているにも関わらず楽しそうであった。
《ゾッ…》
殺気を感じ、とっさに僕を守ろうとするお父さん。
それを聞いて、両親の視線は一瞬僕に移る。
そう言うと、敵はお父さんの腹部を一回殴った。
お父さんは、殴られた衝撃を受け、数歩後ろに下がった。
お母さんの個性がまだ効いているはずのお父さんに普通の攻撃が効く訳がない。
敵も何かしらの個性を使っていると推測するのが普通か。
お父さんは膝まずき、吐血した。
嘘だろ!?内臓を攻撃したって言うのか?しかも個性を使わずに…。まずい。これは…勝てない。
お父さんは更に血を吐き…僕は幼いながらに父の死を悟った。
お母さんは涙を堪えて僕の手を引いて走った。
お父さんは僕らが逃げる為の時間稼ぎに必死で足止めをしているのが後ろからの音でわかった。
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ー次回
番外編「僕の過去〜死人になった僕〜(2)」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。