佐藤 side
二宮くんは俺と少し間を空けて
ベンチに座ってきた 。
まるで誰かが間に座ってるような感じ 。
そしてコーヒーを一口飲み 、口を開いた 。
二宮「 … 自分のことは自分で決めます 。
二宮くんには分かんないですよって 」
『 … え 、?』
二宮「 さっき電話かけたら繋がったけど
たった二言話して切られた 」
『 ……… 』
二宮「 そりゃ分かりませんねぇ 、
俺はあいつじゃあるまいし 、そもそも
事務所に逆らうとかバカなことしないし 」
『 … 』
二宮「 お前の大好きな先輩が
せっかく心配して電話してやったのによー 」
『 ……… どうやったんですか 、?』
二宮「 え?なにが?」
『 … どうやって 、その 、、、
告白?プロポーズ?したんですか 、?!』
二宮「 ……… は?」
『 いやもう 、二宮くん結婚って聞いて 、
あ 、おめでとうございます!
で 、もうかっけーってなったんですけど
どういう雰囲気でやったのかなあって … 』
二宮「 ……… ちょっと待って 。
… は?今それ?え 、心配してないの?」
『 … してないように見えますか?』
二宮「 いや 、完全に
見えないから声かけたんだけど 」
『 もちろんしてますよ 。めっちゃ 。
… でも 、そのあなたの電話の様子聞いて 、
明日は 、絶対来るって思ったんです 』
二宮「 … ほー 、流石メンバーだね 」
『 まあ8年も一緒にいると余裕ですかね 笑 』
二宮「 って言ってる
割には貧乏ゆすり止まらないくせにね 」
『 』
二宮「 ま 、元気そうだしいいや 。
アイツに会ったら今度しばくって伝えといて 」
『 あ 、はい!分かりました 笑 』
二宮「 んじゃ 、、、っあー 、あとそれと 」
『 ? 』
二宮「 質問の答え 。
俺やるときはやる男だから 。
伝えたいなら普段とのメリハリは大事 。
まあ相手にもよるんだけどね 。じゃあ 」
『 ……… 』
去り方もカッコ良い二宮くん 。
普段とのメリハリ、、、かあ 。
まあそんなこと聞いても俺に
言う勇気なんか全くないけどね 。
… そういえば結局8周年祝えなかったなあ 。
6人で 、お祝いしたかったな 、。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!