さとみくんは、そう笑顔で言った。
今飛び降りたら、あの子みたいに自由に
なれるのに。
なんで飛び降りたくないとか思っちゃってるの、わたし。
今飛び降りないと、もうできないのに、、、、
それでも、わたしは体が勝手にさとみくんの方に行きたいと思ってしまう。
ああ、こんな弱いわたし嫌だな。
そう思ったけれども、わたしはさとみくんの元に行った。
わたしは溢れた、涙が止まらなかった。
ちゃんと飛び降りれなかったけれども、さとみくんにとめられて少し安心している自分もいた。
わたしが泣いていたら、さとみくんは、抱きしめてくれた。
とっても、温かった。優しさを感じた。
わたしは、10分くらい、泣いていたが、さとみくんはその間、ずっと抱きしめてくれていた。
さとみくんは、私が泣き止むと、抱きしめるのをやめて、わたしの目を見た。
さとみくんはわたしの目を見て言った。
わたしは、さとみくんがつぶやているのもわかったけれども、何を言っているかはわからなかった。
わたしは、ダッシュで食堂に行った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!