インターホンの前に来た
ピンポーン
大きい門が開いた
え?何この入らないといけない感じ
少し歩くと、
開いた玄関のドアにグクがもたれかかってる
グクの目の前に袋を出した
帰る、と口に出す前に、
グクは袋じゃなく、私の手ごと掴んで
家の中に入っていく
靴を脱ぐなりまた私の手を掴んで進み出した
玄関、廊下、階段、
全部が大きい
大豪邸すぎでしょ.......
なんて考えてたらリビング?に着いた
立ったままの私の肩を両手で掴んだグクは.........
目を赤くして、
上げた口角から、
鋭い牙を見せた
怖い、まるで別人みたいだ
目を合わせるのも無理だと思う
顔が近いから尚更ッ........
グクを振り切って逃げようとしたけど、
怖くて足がもつれた
なんとか座りながら後ずさりするけど、
背中に壁が当たった
私の前にしゃがむと
また肩に手を置いた
私の涙を見て彼は、
と言って、私の首元に近づいた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!