明らかに噛まれる感じだったから
両手でグクの胸元を押そうとすると
両手首を掴まれて壁に押し付けられた
顎で指示するグクに逆らえず
恐る恐る横を向いて、強く目を閉じた
するとゆっくり私の首元に歯を当て、
噛むと思ったら、歯に力を入れる前に
少し首元から口を離した
ここからは一瞬の出来事だった
グクは前振りなしに勢いよく私の首元を噛んだ
「痛い」と言ってもそれは噛まれたその時だけで、
グクがその一瞬だけ、私を抑える力を強めたのが分かった
多分私が暴れ出さないように
グクの喉の音が聞こえ始めてからは、痛みが全くなかった
痛いと言うより、気持ち良いが勝ったのかもしれない
体の中の液体が吸い取られていく
ただ単の出血じゃなくて、吸われていく感覚が凄く不思議で、気持ち良かった
こんな感覚の中じゃ抵抗できないし、
する気もなくなった
なんだか今動いたらやばい気がして、
とりあえずじっとしていようと思った、、
.........なんか、
眠くなってきたな、、
(ガチャ
意識がなくなる寸前に誰かが入ってきた気がする
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。