あなたとの出会いがなければ
今の私はここにいないでしょう
私ね、
4年前、ある雑誌で恭平がいたんだ。
クシャとした笑顔。
偽りのない笑顔。
その笑顔に引かれて、
みるみるうちに好きになった。
その笑顔が目の前で見れて嬉しかった。
それは、初めてのデートの時。
水族館に行ったんだ。
。。。
この笑顔はまるで雑誌を見た時のような笑顔だった。
本当に楽しそう。
涙袋がぷっくりしていて、
頬が上がっていて、
その笑顔を守りたいと
私は全力を尽くした。
これでもし私が笑わなかったら、
恭平は私を嫌うでしょう。
私は作り笑いをした。
ただでさえ、笑うのが苦手なのに、彼の前で笑うのはもっと大変だ。
初めてのデートの半年後のデートは、
ホントは15分くらい待ってたんだけどね
恭平と付き合ってからは、だいぶ笑顔が上手くなった気がする。
。。。
恭平のおかげで笑顔が上手くなったんなら感謝しないと。
そういえば、駿佑が告って来たのは2年前だったかな〜?
偽りのない感じ。
私が恭平の笑顔を見た時に同じことを思っていた。
笑顔って大事なんだね。
恭平に振られて凄く悲しかった
だから、忘れようと必死だった。
でも、笑顔だけはどうしても忘れられない。
「ありがとう」なんて言うつもりはないけど 忘れないよ
あの笑顔
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。