第6話

ロク
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2021/02/21 12:00
あなたとの出会いがなければ

今の私はここにいないでしょう















    







私ね、





4年前、ある雑誌で恭平がいたんだ。




クシャとした笑顔。







偽りのない笑顔。







その笑顔に引かれて、




みるみるうちに好きになった。







その笑顔が目の前で見れて嬉しかった。








それは、初めてのデートの時。













水族館に行ったんだ。
あなた

今日はどこ行くの??

高橋恭平
水族館行くよ!
あなた

初めて行くな〜

高橋恭平
え!嘘!
あなた

ホント、

高橋恭平
楽しいよ。ほら手繋ごう
あなた

え、、うん。




。。。
高橋恭平
ほら!エイだ!
あなた

すご〜い!

高橋恭平
だよね〜!





この笑顔はまるで雑誌を見た時のような笑顔だった。








本当に楽しそう。





涙袋がぷっくりしていて、

頬が上がっていて、








その笑顔を守りたいと




私は全力を尽くした。







高橋恭平
ほら!すごいでしょ?もっと笑って!








これでもし私が笑わなかったら、




恭平は私を嫌うでしょう。








私は作り笑いをした。









ただでさえ、笑うのが苦手なのに、彼の前で笑うのはもっと大変だ。
高橋恭平
ふふっ、練習が必要だね笑












初めてのデートの半年後のデートは、
高橋恭平
おまたせ!待った?
あなた

ううん。私も今来たところ!



ホントは15分くらい待ってたんだけどね
高橋恭平
じゃあ、行こっか!
あなた

うん!








恭平と付き合ってからは、だいぶ笑顔が上手くなった気がする。









。。。









恭平のおかげで笑顔が上手くなったんなら感謝しないと。


そういえば、駿佑が告って来たのは2年前だったかな〜?
道枝駿佑
俺、あなたの笑顔が大好きで、
偽りのない感じが凄く好きです!
付き合ってください!

偽りのない感じ。













私が恭平の笑顔を見た時に同じことを思っていた。











笑顔って大事なんだね。









恭平に振られて凄く悲しかった
だから、忘れようと必死だった。




でも、笑顔だけはどうしても忘れられない。









「ありがとう」なんて言うつもりはないけど 忘れないよ



あの笑顔

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