。。。
もう明日か結婚か。
そう思いながら私は1人家に帰った。
恭平。
随分かっこよくなったね。
深く被った帽子。
そして、サングラスがよく似合う。
ライン見てみようかな。
恭平と最後に話したのは3年前。
恭平が最後に打った文章は。
『ごめん。遅れる。 』
そういえば最後のデートは1時間くらい遅れてたんだよね。
最初のデートは遅れてなかったのに。
どんどん扱いが雑になってるような気がした。
最後のデートは、
ごめんしか言わない。
たったの3文字で簡単に許されると思わないでよ。
家。
最後はこうやって逃げるんだ。
あんなチャラいやつと付き合った私が悪い。
私は恭平の髪の毛をクシャクシャした。
いつもなら、
嫌がるのに
私がイタズラで髪をクシャクシャしたら、
笑いながら、やめてよ、って言うのに。
今はそういう状況じゃないもんね
私は恭平の家を出ていった。
クズだけど、
夢に溺れず 未来捉えて
そういうところは真面目なんだよね。
そして、いつも気遣いができて
そういうところは優しいんだよね。
とても真面目で優しい人よ。
私ね、1度も泣いてないんだよ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。