倒せない…
負けるの?
私たちは
こいつに
勝てないの?
もう皆様も体力の限界に近づいている
私は、まだ皆様に何も伝えてない
本当は…もっと
"笑いたかった"
少し呼吸を整える一瞬で
私は走馬灯を見た
お母さん、お父さん…
私この頃は楽しかったのに…!
何で…何で私を嫌ったの?
なんかしましたか?…
泣かない…泣かない
今泣いたら
きっともう立ち直れないから…
私から感情を取ったのは
あなたよ?
いつ気づくの?
もう笑えなくなった私に
いつも優しくしてくれたじゃない
それなのに…今の貴方は
色がない
柱の方達も本当に頑張ってくださった
もう、いいかな?
私が行けば…全部収まるかな?
お館様は全部知っている、
私の事も
家の事も
全部全部…
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少しずつ太陽が上り始めた
気づいた時には
鬼物時無惨は
いなかった
柱の方達もさっきよりだいぶ回復してる
私が呼吸を使ったから
つい口にしてしまった
ずっと思ってた事
私の大好きな…
私は夜明けが来ると同時に
意識を手放した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!