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第24話

全てを。
志麻side
そうだよ。どうしてそれに気づかなかったんだろう。

忘愛症候群になんか頼らなくたっていいんだ。
自ら命を絶てばいいんだよ。
そうすれば、アイツらもわかるだろう?
俺の苦しみ、痛み、憎しみ…全てを。
志麻
志麻
と言ってもどこにしようか。



いや、待てよ。
あいつらだけじゃなくて…この世界の全ての人に…俺のつらさを知ってもらおう。
センラside
となりの坂田。
となりの坂田。
はよ〜センラ。
センラ
センラ
昨日な…志麻くんに…あった。
まふまふ
まふまふ
え!?おいかけなかったの!?
センラ
センラ
追いかけたよ。
追いかけて追いかけて追いかけて、やっと追いついた。
センラ
センラ
そしたら…
そらる
そらる
ん?
センラ
センラ
志麻くん、忘愛症候群じゃなかった。
うらたぬき
うらたぬき
えっ…なら、なんで俺らのこと避けんの?
センラ
センラ
叫んでたよ。俺に向かって。
おまえに何がわかるって…俺の苦しみ、痛み、憎しみ…何がわかるんだって。
センラ
センラ
志麻くんは…俺らに怒ってる。絶対…俺らのことを許さない。
となりの坂田。
となりの坂田。
そんな…
その時
『速報です。○○ビルの屋上で、一人の男性が飛び降り自殺をはかろうとしています。』
センラ
センラ
え…
画面を見ると、見慣れた顔。


紫色の髪、妖艶な瞳、白い肌…
センラ
センラ
志麻くん!!!!
俺は家から飛び出して、現場へと走った。
志麻side
あぁ。風がきもちいなぁ。
下にいる人たち、米粒みたいに小さいや。

気分がいいなぁ。どこまでも飛んでいけそうだなぁ。
志麻
志麻
(見てくれる…俺の事を…みんな…)
誰にもきにかけてもらえず、挙句の果てに暴力を振るわれた。

そんな毎日だったのに、知らない人まで、俺の事見てくれる。心配してくれる。


俺はビルの端からつま先を出した。
下で悲鳴が上がる。

そう…そうだよ…もっと見て?俺の事。
そして忘れないで…いつまでも…いつまでも…
志麻
志麻
バイバイ
体が宙を舞う。
風が、全身を優しく包み込んでくれる。
下で大きな悲鳴が上がる。
そのまま下に…    
































































落ちていかなかった。
志麻
志麻
な…なんで…?
センラ
センラ
ハァ…ハァ…ハァ…
センラ
センラ
っしょっ!!!!
俺は屋上に引き戻されて、センラの腕の中に倒れ込んだ。
センラ
センラ
ほんっ…とに…昨日から…全力ダッシュしすぎて…心臓もたへんよ…
志麻
志麻
なんで…なんでセンラがいるの?
俺の問いには答えず、センラが言う。
センラ
センラ
ったく…何勝手なことしてんねん…
死なせへんからな…絶対死なせへんからな…
志麻
志麻
センラ…
ぎゅうぎゅう抱きしめられ苦しい。だが、暖かい。


あぁ、俺怖かったんだ。ひとりぼっちで、真っ暗な闇の中で、いるのが怖かったんだ。

だから安心したかった。こうやって、抱きしめてもらって安心したかったんだ。
センラ
センラ
志麻くん…帰ってきて…?
ポロポロとセンラの涙が俺にかかる。
志麻
志麻
うん…グスッ帰る…うちに…帰る…
センラの暖かい腕の中、安心しきって、俺は目を閉じた。