神楽) あれ………マミー?え、なんで……?マミー………えええ?
神楽、と言う少女はかなり混乱しているようだった。
正直に言って、私だって混乱している。
私は、この少女を…………知っている…………?
神威) この人は冬華だ。母さんにそっくりだけど違う…………ほら、瞳の色が青いよ。
そういう神威も完全に否定ができなかったらしく、"違う"と言う声がすごく弱々しかった。
私も完全否定はできなかった。記憶はほとんど消しとんでしまったが、私が唯一確実に覚えているのは、
"俺と死ね"
と言われ、私は徨安を離れた。
その時私は、永遠の命を捨て、誰かと共に死ぬことを選んだ。
ということだ。
その誰かに、この二人もいたかもしれない。
よく起こる頭痛は、偶然なんかじゃない。
?) あーーー、なんで地球に来てえいりあん退治なんか、せにゃならんのだ。ん?あれ、もう片付いてたのか。なんだ。じゃあ戻ろうかな…………あれ、神楽ちゃんじゃないか。こんなとこで何をしているんだね。ん?神威もいるではないか。それと……………………江………華?
まさかな、あははは
江華。
"俺と死ね、江華"
また激しい頭痛がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!