今日も何一つ変わらない朝が来た。
冬華は一回のびをした後に家を出て外に出た。
この星はお世辞にも綺麗とは言えないが、白々とした空は幻想的であった。
ふとどこかで聞いたことのあるような声が聞こえた、ような気がした。
「宇宙にはね、地球っていう青くてそれは綺麗な星があるんだって。」
地球………………。
「海の彼方にはもう探さない
輝くものはいつもここに私の中に見つけられたから」
地球には海というものがあるらしい。
この歌はその青い星で生まれた。いや歌というもの自体地球から生まれたのかもしれない。
と冬華は思った。
輝くものって何だろう_____
その時、遠くで何かが崩れる音がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!