第15話

キンプリの紅一点は
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2019/10/11 07:25



平野紫耀 side


森下のミスは凄かった。


デビューの時のシンデレラガールなんて


もう最悪で


俺らも最悪なスタートを切った。





振付師さんに毎回怒られて

森下のせいで俺らまで巻き添いを食らう。



みんな腹が立って


この事務所内で森下に関わる人なんて全然いない。




みんな死んだような目をして森下を見る。



ある日


岸くんが倒れた。



森下が隣で

岸さん!!

って。


神宮寺は森下が何かしたって疑っていて



まぁみんな疑っていたけど。








ある日


俺も仕事続きで全然寝れてなくてご飯もろくに食べてなかった。


いつも普通にやっているレッスンでさえもきつく感じて


今すぐ横になりたかった。




その時森下は俺の事をチラッと見て


振付師さんに
休憩させてくれと

頼んでいた。



いちばん何も出来ない奴がそんな事を言うのはもう何回目だろう。


でもあいつが止める時は大体体調不良の奴がいる。



あいつは気づいてんのか。

それともたまたまなのか。



とりあえず横になりたくて近くの壁にもたれかかって座った。



振付師さんに怒られながら森下はすみません…と謝り続けている。


時には別室に呼ばれていたこともあった。


振付師さんが呆れた様子で部屋を出て行ったあと

あいつも同じように部屋を出ていって


戻ってきた時に俺の所へ来た。




あなた「平野さん…これ…」


森下の持ってた袋の中には

俺の好きな濡れおかきとスポドリが入っていた。


平野「…なにこれ」

あなた「…休んでください…」

平野「…」

あなた「あと…ちゃんと…食べないと…」

永瀬「紫耀帰ろう」

平野「…おう」


あなた「余計なお世話…ですよね…笑」

あなた「…捨ててもらっても全然いいですけど...ちゃんと食べてください…」



そう言ってあいつは部屋を出て行った。








あいつの事を認めてやりたくても謎のプライドが邪魔をしていた。




そんなあいつもジャニーさんが亡くなってから

急に細くなった気がした。





今日は顔も赤くて

息も荒い。


周りの事だけ見てるのかよ…


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