紫耀 side
なんか今日は朝起きた時から体調が悪い。
今日はダンスのレッスンがあるから休むわけにはいかなかった。
ただでさえ映画の撮影で遅れているのに。
「紫耀くん〜!朝ごはんだよ!」
下から俺の名前を呼ぶあなた。
バレないように。
下へ行くとみんな準備出来ていた。
俺も朝ごはんを食べて準備をして
みんなでレッスン室へ向かった。
「「1 2 3 4 2 2 3 4」」
体のだるさもあり
少しキツかった。
いつも以上にハードに思えた。
休憩までまだある。
そろそろ限界が来た時。
「すみません…少し休憩…」
振付師「…そうだな。休憩しよう」
あなたの声掛けで休憩が入った。
みんなそれぞれ自分の荷物のところに戻る。
そんな力もなく俺はその場に座りこんだ。
「紫耀くん…!」
やっぱり1番に駆けつけてくれたのはあなたで。
平野「大丈夫だよ」
「…これ!!無理しないで…」
そう言って渡してきたのは
ぬれおかきとスポーツドリンクだった。
なんか懐かしい。
はじめてあなたに助けて貰った時もこれを貰った。
平野「…ありがとう」
「ねぇ紫耀くん今日は休んだ方がいいんじゃない…?」
平野「俺…映画の撮影でただでさえ遅れてるのに休めるわけないよ」
「でも休まないともっと遅れちゃう」
平野「…」
「ちゃんと休んでやらないと意味ないよ…」
平野「…」
「…ね?」
そう言ったあなたは振付師さんに
「 紫耀くんが体調悪いので今日は帰らせます 」
と伝えて
「 帰るよ! 」
荷物を持ってレッスン室から出た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。