第27話

ずっと
623
2019/06/22 03:49



『・・・えいちゃん・・・』


後ろを振り返ると、赤い髪の彼。
ずっと話したかった。
ちゃんと伝えたかった。
特別だと気づいたあの日から、
近くて遠い縮まらない距離がもどかしくて
毎日苦しかった。

私はえいちゃんの目にかかった前髪に
流れに沿わせながら触れた。

『あの、えいちゃん・・・私ねっ・・・っ・・・』

えいちゃんの顔を見ると
何故か涙が止まらなくなった。

『私っ・・・えいちゃんに・・・伝え・・・っ・・・』

最後まで言う前に
えいちゃんはまた私を抱きしめた。

エ「俺が先に言うから。あなたが好き。
昔から変わらず、今もずっと。
俺と一緒にいてよ。
兄妹なんてもう言わせない。
あなたは俺の、
たった1人の特別な人だから。」

『私も・・・っ・・・好きだよえいちゃ・・・っ・・・』

えいちゃんが抱きしめていた私から離れ、
そっと指で私の涙を拭ってくれた。

エ「あ〜ここまで長かった(笑)夢見たい。
やっと幼なじみから脱却出来た。」

えいちゃんは照れくさそうに笑って言った。

エ「ほら、もう泣かない。」

両手で私の頬を包み込んで
涙をゴシゴシ拭ってくれる。

『・・・えいちゃんレナさんと
付き合ってるんだと思ってたの・・・
一緒にいるところ前に見たし、
それにその、前に部屋で・・・』

エ「あ、えっとあれは、なんて言うか・・・
もうあなたのこと忘れようと思って
ヤケになって・・・」

『・・・じゃあ・・・』

私は身を乗り出して
えいちゃんに軽くキスをした。

エ「おまっ・・・」

『もう幼なじみ脱却したんでしょ?
私のこと忘れる必要もなくなったし、
・・・えいちゃんの私になったんだもん。』

自分でもなかなか積極的だったなと
後からすごく恥ずかしくなった。

エ「ね〜え・・・
そんな可愛いことしないでよ・・・」

えいちゃんは自分の髪をわしゃわしゃと掻き、
私の腕をグイッと引っ張って

エ「もっとちょーだい・・・?」

『んっ・・・』

そう言ったえいちゃんと私は
何度も唇を重ねた。


プリ小説オーディオドラマ