第7話

7話
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2019/06/25 11:28

あなたside



ある朝

いつもカルマくんと登校する

変な意味じゃなくて

ただ同じ時間の電車なだけ

今日もいつも通り駅に行った
you.
おはよ〜
カルマくん
カルマくん
はよ
と挨拶をしてからホームに行った


今日は何故か電車が満員だ
何とか乗り込んだけど
二人の距離はいつもより近い
もつかな……
なんて思ってると
you.
っ…………
これは
痴漢だ
最悪
どんどん触ってくる
気持ち悪い
今にでも殴り掛かりたい
でも満員電車でそんなことは出来ない


何も出来ないままで
大胆になって行く手つきに
いつの間にか涙目になっていた
you.
…………っ
カルマくん
カルマくん
……?……!
カルマくんが気づいた
カルマくんは電車の揺れに合わせて大胆に痴漢男にぶつかって
痴漢男を睨みつけたみたい
その男が遠ざかったあと
カルマくんはこっちを見た
目が合って
涙目を見られた
カルマくん
カルマくん
……大丈夫。
耳元で囁かれた
すると……カルマくんは
you.
 ……っ!?
男らしいゴツゴツした手でで繋いできた


びっくりしたけど


何故かすごく安心できた

二人の距離はもっと近くなって
顔が熱くなっていくのが分かった
電車を降りて
you.
…ありがとう……
カルマくん
カルマくん
んーん
ほんとに助かった

優しいなって思っちゃった
カルマside


今日の朝も同じ時間にあなたちゃんが駅にいた
you.
おはよ〜
カルマくん
カルマくん
はよ
軽く挨拶をした後
ホームに行ったら嫌になるほどに人がいた


俺たちが乗る電車も案の定満員で


二人の距離は近かった


……ん?あなたちゃんの様子が変


よーく見ると痴漢をされていて


あなたちゃんは泣いてた


なんでか


すっごくムカついて


蹴り飛ばそうとでも思ったけどこの狭い中は無理


どうしようか考えてると


どんどんどん手つきがいやらしくなってきて


もう我慢できない


そう思って


その時丁度揺れが来た


俺はその揺れに合わせて男にぶつかった


そして


自然に睨みつけてた


男がどっかいって


あなたちゃんの方を見ると驚いたような顔をしてこっちを見ていた


まだ泣いていたから
カルマくん
カルマくん
大丈夫。
と小声であなたちゃんに言った
そしたら自然と手を繋いでた
また驚いたような顔でこっちを見てる


もっとあなたちゃんを守りたくなった




俺がついてないと。



電車から降りたらあなたちゃんが
you.
…ありがと……
って言ってきたから
カルマくん
カルマくん
んーん
あなたちゃんの顔赤くなってたけど


今は触れないでおこう




そして







普段こんな事しないいのに


どうしちゃったかな 俺





そんなことを思いながら手を繋いだまま登校した

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