第27話

27話
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2019/07/07 10:28
you.
ふぁ…
目が覚めると、カルマくんの腕の中だった。

そうだ、昨日ベッドに二人で入って、怒涛の可愛い攻撃されたり抱きしめられたり…………端的に言えば、その……いちゃいちゃ…して。そのまま寝ちゃったんだ。

時計を見るとまだ朝の6時

今日から夏休みだし学校ないから時間を気にせずにいられる…

朝ごはんの買い出しに行こう

そう思って起き上がって

軽く髪の毛を整えて家を出た

まだ誰もいない涼しい早朝の住宅街を歩いてコンビニに行く


you.
こんな早いとスーパーやってないよね…
買い出しをした後来た道を戻って歩き出すと、一つ角を曲がったところで人にぶつかった。




you.
す、すみませんっ
カルマくん
カルマくん
はぁ……はぁ……っ、!…あなた!?
急いでぶつかった方を確認すると、そこには制服に見を包んだ見慣れた赤髪の少年が、息を切らせていた。
you.
え、あ、カルマくん?ここまで走って…、
言い切る前にカルマくんに強く抱きしめられて言葉を切る。
カルマくん
カルマくん
よかったぁ……ここにいた……
安心したからか、はたまた息を整えて余裕が出たからか、私を開放したカルマくんが段々怒りを顕にしているのを身体で感じる
カルマくん
カルマくん
ねえ出かけるなら起こしてよ
you.
朝だしいいかなって……
カルマくん
カルマくん
早朝だって人通り少ないし、急にいなくなってすっげぇ焦ったんだけど
you.
ごめん……
珍しく真剣な目をしたカルマくん
カルマくん
カルマくん
なんで黙って出てくの。LINEとか書き置きとかしてくれればいいじゃん
you.
あ、そっか
カルマくん
カルマくん
バカなの?俺がどれだけ心配したと思って……!
you.
心配してくれたの?
カルマくん
カルマくん
したに決まってんじゃん
カルマくん
カルマくん
これからは絶対黙ってどっか行かないで。あなただって、置いていかれる方の気持ちは嫌というほど知ってるでしょ?
you.
そうだね…次から気をつけます。。
カルマくん
カルマくん
絶対だから
そう言ってカルマくんは、私の手を取って言った
カルマくん
カルマくん
帰ろ。朝ごはん、食べよ
you.
カルマくん…手っ……
カルマくん
カルマくん
ああ、もうあなたが勝手にいなくならないように、ね

家まで、いいでしょ?と言ったカルマくんはずるい。すごく恥ずかしいけど、そんな聞き方されたら断れるわけないのに。




赤くなった顔を隠したくて少し俯いて歩いていると、急に立ち止まったカルマくんが顔をのぞき込んでくる。
カルマくん
カルマくん
大丈夫?俺言い方きつかっ…
カルマくんと目が合うと、その心配そうな整った顔が拍子抜けしたような顔になってから優しい笑顔に変わった。
カルマくん
カルマくん
手、繋いでるから照れちゃったの?俺がきつく言ったから落ち込んでるのかと思った
you.
心配してくれたんだし、嬉しいよ…?
カルマくん
カルマくん
当たり前じゃん
you.
カルマくん優しいから誰にでも心配すると思うけど私はあんまりそういうこと今までなかったから嬉しかったの。
カルマくん
カルマくん
もう、なんで伝わってないのこの鈍感。俺はずーっとずーっとあなたのこと心配したり気にかけたりしてるんだけど。今が初めてじゃないよ
you.
……
カルマくん
カルマくん
あなた警戒心はめちゃくちゃ強いくせに深夜に一人で出歩こうとするし、拉致られても一人で無理して他を庇うし、Tシャツ1枚で男の前出たり、良かったね俺で。そうじゃなきゃ襲われてたよ完全に
そんなに心配してくれてたんだ……
カルマくん
カルマくん
ていうか“カルマくんは優しいから誰に対してでも心配する”?んなわけねーじゃん。こんなに必死になるのはあなた相手だけだからね。あなたは俺のこと超善人だと思ってるみたいだけど、あなたにだけだよ優しいの
カルマくん
カルマくん
一応、……彼氏だし?
自分をもっと大事にして
you.
うん……
家に帰って朝ごはんを食べ終わった
カルマくん
カルマくん
学校ないのちょー楽〜
you.
そうだよね〜
でも、多少勉強しないとね〜
カルマくん
カルマくん
うん……ねえ、今週末夏祭りがあるの、知ってる?
you.
そうなのー?
カルマくん
カルマくん
そう。良かったら一緒に行こうよ、クラスのみんなも行くらしいよ?
you.
ほんとに!?行きたい!
カルマくんに夏祭りに行かないかと誘われて内心すごく楽しみ
you.
ねぇ、浴衣着て行こ?
カルマくん
カルマくん
ん、いいよ
あなたもね?
you.
もちろん!
どんな感じだろう。きっと、…というか絶対すごくかっこいいだろうな
カルマくん
カルマくん
あなたは屋台何食べたい〜?
you.
ん〜祭りの屋台って美味しいから全部食べたいな〜いちご飴とかかき氷とか〜
カルマくん
カルマくん
ははっ、食べることばっかじゃん
you.
そんな〜花火も見るよ〜
カルマくん
カルマくん
今日はずっとあなたと居れるんだ…
最高
平気でああいうこと言うカルマくんは強すぎ
you.
な、……何する?…
カルマくん
カルマくん
ん〜とりあえずもう1回寝たいな〜
you.
いいね〜ゴロゴロしてたい
カルマくん
カルマくん
その後はゲームして、映画見たりしよーね
you.
もー遊んでばっか〜勉強しないとだよー?
カルマくん
カルマくん
いいのいいの〜
カルマくんとのお泊まりは時間がとても早く感じる

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