僕が立っているのは、大きな宿舎の入り口。
今日僕は、あなたの相談相手になるべく、やってきた。
この相談ってのが、ほんっとに面白くて、
そのうえあなたがめっちゃ揶揄い甲斐があるから、楽しみで、張り切り過ぎたため、
まだ朝の早い時間に到着してしまった。
呼び鈴を鳴らして、待っていると、
クン哥が迎えてくれた。
必死で僕を頼ろうとしたのに断られてしょんぼりしているクン哥が面白い。
落ち込みながらも、コートを受け取り、スリッパまで用意して迎え入れてくれるクン哥の優しさに、
ちょっとは贔屓してあげてもいいかなとも思う。
こんなに必死なクン哥を見ている限り、
惑わしてるのは哥達じゃなくてあなたの方なんだろうなㅋㅋㅋ
本当、この一連の騒動、
全部面白い!!!!
絶対贔屓なんかしてやらない!
クン哥の入れてくれるコーヒーは、
いつも優しい味がする。
やっぱり僕なら迷わずクン哥を選ぶのにな〜
なんて考えていると、何やらドタバタする音が聞こえて、
あなたが部屋から飛び出して来た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
息を整えながら、チョンロに笑顔を向けると、
チョンロがバカにした様に笑って来た。
何だか気持ち悪いくらい不自然な笑顔をこちらに向けながら、朝食を準備するクン哥。
一体どういう感情なんだろ…
小声でチョンロに問う。
クン哥の方を向きながら内緒話をしている間も、クン哥は不自然な笑顔のままこちらを見ていた。
少し気まずさを感じて目を逸らす。
しかしすぐに、ダイニングへと朝食が運ばれて来た。
とは言ったものの、少し気持ちは揺らいだ。
だってあのチョンロのお家だよ?
誰だって一度は憧れるに決まってるじゃん。
一体何度、テガルを羨ましく思ったことか…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!