第45話

ルーカス哥day終
608
2022/01/24 03:00
みんな
みんな
おつかれー!!!!
ルーカス
ルーカス
いやぁ〜!ほんと、うまくいってよかったね〜
テン
テン
僕のダンスキレッキレじゃなかった?
シャオジュン
シャオジュン
俺の歌もな!!!
ヤンヤン
ヤンヤン
僕も僕も!!
クン
クン
そうだね、みんなよかったよ!!
ヘンドリー
ヘンドリー
よし!じゃあその勢いで、打ち上げも、盛り上がってこ〜!!!!!!!
みんな
みんな
イェーイ!!
ウィンウィン
ウィンウィン
って…
どうしたの?あなた
(なまえ)
あなた
ウィンウィン哥…
威神Vのbeyond liveが無事に終わり、

今は打ち上げの真っ最中だ。






いまいちテンションについて行けていない僕を心配してか、
ウィンウィン哥がいつものように優しく問う。





ごめんなさい…
ウィンウィン哥が優しさで聞いてることはわかってます。

でもごめんなさい…
今日ばっかりは…ちょっと言わせてください。

(なまえ)
あなた
「どうしたの?」じゃないですよ!!!
みんな
みんな
??
あぁ〜ダメだ。

本当にこの人たち、どうかしちゃってるよ…
(なまえ)
あなた
あんなサプライズ、ありえないでしょ!!
テン
テン
しっかり驚いてくれたね〜
シャオジュン
シャオジュン
サプライズ大成功!
ヘンドリー
ヘンドリー
面白かったでしょ??
なにヘラヘラしてんだこの人たち!!


僕がどれだけ焦ったと思ってるんだ…
(なまえ)
あなた
面白くないですよ!!!!
ヤンヤン
ヤンヤン
あなた…怒ってる…??
そうだよね…ごめんね…
しょんぼりした様子で、尋ねるヤンヤン哥。




あぁ…やっちゃった。
怒ってるわけじゃないんだけど、ちょっと言い方がキツ過ぎたな…

(なまえ)
あなた
あ、いやヤンヤン哥、怒ってるわけじゃないんですけど、その…ごめんなさ…
ヤンヤン
ヤンヤン
そっか!よかった!!
あなたも楽しかったんだよね!

っておいおいおい…


ヤンヤン哥までぶっ飛んじゃってる…
ルーカス
ルーカス
それになんだかんだ言ってもあなた、
最後の曲、しっかりできてたじゃん!!
(なまえ)
あなた
それは、哥達のフォローがあったおかげで、
僕の力じゃ無いです


そう。僕が参加した最後の曲は、

自分でも驚くほどの大成功を収めた。






記憶の中のダジュン哥の動きをトレースする。

もちろん歌は完璧にダジュン哥のクオリティを真似することはできない。自分なりの方法で、出来る限り最高の音を出す。



一緒に踊り、歌う哥達の動きはまるで自分の身体の一部かと錯覚するほど、気持ち良く自分の歌声やダンスとシンクロしていた。




個人個人の技量が高いだけじゃ無い、チームで歌うことでそれぞれの力が引き伸ばされるというのは、良いチームの特徴だが、

僕はそれを身をもって体感した。
自分自身でも知らない自分の力が、形となって現れた。


すごく不思議で、すごく楽しい時間だった。
クン
クン
でもほら、ファンの子達、
いっぱいあなたのこと、褒めてたじゃん!
(なまえ)
あなた
そうですね。
本当、嬉しかったです!
最後の曲を披露した後のコメント欄は、


新メンバー参加への戸惑いと歓喜の声の両方で溢れかえっていたが、


純粋に僕個人の実力を評価してくれる声もたくさんあった。




その嬉しさを、噛み締めるように思い返す僕の肩を、


ルーカス哥はガシッと掴んだ。
ルーカス
ルーカス
自信持ちなよ!!
もう正式に威神Vのあなたなんだからさ。
(なまえ)
あなた
はい!
本当にありがとうございました!



ってあれ??


結局嬉しかったんじゃん。僕。



そりゃそうだよね。
哥達が、僕のために必死で準備してくれたサプライズ、


驚きも大きかったけど、それでもやっぱり嬉しさが勝っているに決まってる。


ヘンドリー
ヘンドリー
あなたも乗ってきたから、
ジャンジャン盛り上がってこ〜!!
みんな
みんな
イェーイ!!!
それからしばらく、ドンチャン騒ぎは続いた。

しかし、やはり疲れが溜まっていたのだろう。
その勢いも次第に失われ、
打ち上げパーティーはお開きとなった。





















寝る支度を済ませ、ルーカス哥とウィンウィン哥の部屋で、ルーカス哥がお風呂から帰ってくるのを待っている間、


チョンロからメッセージが届いていた。
チョンロ
チョンロ
『ヤー!お疲れ〜!あなたやるねぇ〜!!
めっちゃよかったじゃん!!!!
まじカッコよかった!』
いつもは揶揄うためだけに使われているこのトーク画面も、今日ばかりは素直な賞賛の言葉が映し出されていて、
思わず頬が緩む。
(なまえ)
あなた
「ありがとう!チョンロも哥達のサプライズ協力してくれてたんだよね?ありがとう。嬉しかったよ」
チョンロ
チョンロ
『ㅋㅋㅋ
あなた素直だね〜!
もしかして感動しちゃったとか??』
(なまえ)
あなた
「感動したよ。」
チョンロ
チョンロ
『お、本当に素直じゃん。』
(なまえ)
あなた
「スポ王のチョンロが、サプライズを隠し通したことにねㅋㅋㅋ」
チョンロ
チョンロ
『うわ、素直じゃねぇ〜ㅋㅋㅋ』
(なまえ)
あなた
「ㅋㅋㅋ」
チョンロ
チョンロ
『それより、明日じゃん。決められるの?誰を選ぶか。』



あっ…そうだった…。

突然の舞台に舞い上がっちゃって、すっかり忘れていたけど

明日僕は、これからどの哥と同室になるのかを選ばなければいけないんだった。



(なまえ)
あなた
「選べ…そうにないかも…」
チョンロ
チョンロ
『だと思った!
明日予定無いでしょ?相談乗ってあげる。』
(なまえ)
あなた
「本当?すごく助かる」
チョンロ
チョンロ
『うんうん、素直だね〜ㅋㅋㅋ』
(なまえ)
あなた
「なんかムカつく…。けどまぁお世話になるから、許す!!」
チョンロ
チョンロ
『なにそれㅋㅋじゃあまた明日連絡するね!
おやすみ!!』
(なまえ)
あなた
「うん、おやすみ」




相変わらず、チョンロは人を揶揄うのが生きがいなようだが、今日の揶揄い合戦は1勝1敗かな。
いや、朝の分と合わせて負け越してるのか…。

明日こそは…
いや、多分負けるんだろうな…





チョンロとのやり取りを終えて、
明日も揶揄われる未来を想像して勝手に落ち込んでいるちょうどその時、

ルーカス哥がお風呂から戻ってきた。

ルーカス
ルーカス
ウィンウィン哥は?
(なまえ)
あなた
もう寝ちゃってます
ルーカス
ルーカス
そっか、ウィンウィン哥めっちゃ頑張ってたもんね。
(なまえ)
あなた
はい。
本当に最初から最後まで最高にカッコよかったです。
ルーカス
ルーカス
あなたもね!
(なまえ)
あなた
ルーカス哥もです!!
本当に最高のライブでした。
ルーカス
ルーカス
だよね〜
俺自身もめっちゃ感動した!
(なまえ)
あなた
ルーカス哥、泣いちゃってましたもんね…
ルーカス
ルーカス
うわ…//
そうだった…あれもあなたに見られてんだった…///
普段堂々としているルーカス哥の

照れるような仕草はすごく新鮮に思えた。
(なまえ)
あなた
綺麗でした。
ルーカス哥の涙。
率直な気持ちを、ルーカス哥に伝えると


さらに顔を真っ赤にして、両手で顔を隠してしまった。



その状態のまま、急いで電気を消しに行くルーカス哥。






パチっという音と共に部屋が暗くなり、


表情は見えないが未だ赤面しているであろうルーカス哥に、早くベッドへ移動するように促される。




ベットへ入ると、後からすぐにルーカス哥も横に並んだ。

密着する距離まで近づいて初めて、ルーカス哥の姿がぼんやりと見えてきた。
(なまえ)
あなた
いつまでそうしてるんですか?笑
ルーカス
ルーカス
だって、恥ずかしい…
(なまえ)
あなた
やっぱり、繊細なんですね。
ルーカス哥は。
ルーカス
ルーカス
そうかな…
みんなと、ウェイゼンニの前でだけだよ。
(なまえ)
あなた
そうなんですか?
ルーカス
ルーカス
そうそう。
俺って自分のこと大好きじゃん?
(なまえ)
あなた
そうですね笑
ルーカス
ルーカス
でも、自分のことよりも、
威神とウェイゼンニの方が大好きだからさ
嬉しくなっちゃって…///
ルーカス
ルーカス
どうだー!威神Vかっこいいだろ〜!って
誇らしい気持ちと、
応援してくれてありがとうー!って気持ちが抑えられなくてさ
ルーカス
ルーカス
あ、そうか…なるほど…
俺やっぱ繊細なんじゃないわ!!
(なまえ)
あなた
え?
ルーカス
ルーカス
逆に大き過ぎるんだよ!
(なまえ)
あなた
えっと…背がですか?
ルーカス
ルーカス
いや、そうじゃなくて…
いや、そうなんだけどそれだけじゃなくて
感情が!!
大き過ぎて身体の中に収まんなくて、溢れ出ちゃうの!!
ルーカス
ルーカス
だから繊細なんじゃなくて
BIGなだけ!




繊細って思われたくないのだろうか、
ルーカス哥は必死になって、自分がBIGだ!という主張を繰り返す。


(なまえ)
あなた
それじゃこれから、
もっともっと泣いちゃいますよ?
ルーカス
ルーカス
なんで?
(なまえ)
あなた
威神Vは8人になって、これからどんどん進化していくからです!
ルーカス
ルーカス
お!あなたも自分大好きだね!
(なまえ)
あなた
ルーカス哥ほどじゃないですけどね!
僕も、ルーカス哥みたいに、自信満々の魅力?みたいなの、身につけていきたいんで!!
ルーカス
ルーカス
愛は、人をカッコよくするからね。
(なまえ)
あなた
そうですね!!





ルーカス哥はとことん愛に生きる人間だ。



自分を愛し、仲間を愛し、ファンを愛する。

それを原動力にして、さらに己を磨いていく。



お手本の様なルーカス哥の生き方に、
改めて憧れを抱いた。






数年前、アイドルを夢見る冴えない学生が追いかけた背中は、
今日、アイドルとなったその人の隣にあった。





大きく進み出した、僕の夢。

これからもっと多くの人に愛されて、多くの人を愛して
僕ももっとカッコ良くならなくちゃ。
















猛烈な睡魔の中で、うっすらと安らかな声が聞こえる。








ルーカス
ルーカス
あなた。
今日は本当にお疲れ様。
これから一緒に頑張ろうね。


















ルーカス
ルーカス
我爱你

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