「 ほら 、寝てんじゃねぇよ 、笑 」
ピタッと頬に暖かい感触があった
机から顔を離し横を向くとお兄ちゃんだった
「 ん 、 コーンスープ 。 」
『 うん 、ありがとう 』
お兄ちゃんからコーンスープを受け取り 、
目を覚ます
「 ここ分かんないのかー 」
『 お兄ちゃんも分かんないでしょ 、 』
ラインマーカーを引っ張ってるところを指し
「 うーん 」 と考える
「 これあれだ 、公式使うだけだよ 、 」
『 本当にー?笑 』
「 絶対合ってるって 、笑 ほら答え 」
答えを渡すと 私にニヤニヤ笑ってきた
ふっ 、やっぱ不正解じゃん 、笑
「 … 合ってる !笑 」
『 嘘だ 、笑 』
「 嘘 、笑 」
ほら 、嘘じゃん 。笑
お兄ちゃんは信用しちゃダメだよ 、笑
「 んじゃ 、頑張れよ 」
『 はいよー 』
今は夜の10時 。
試験はいよいよ明後日だ 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。