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第70話

そんなんだから、次の日のコンディションは最悪なもので遅刻ギリギリで楽屋に入って急いでメイクをしてもらった。

顔色悪いから、といつも以上にメイクをされたし、スタッフさんからも心配されたけど、咄嗟に嘘をついて誤魔化した。
岩本照
どーも!
『SnowManでーす!!』

皆いつもどおりに見える。
でも、噛みまくってる康二や、口数の少ない佐久間はいつもどおりでは無いのがバレバレだ。

番組を収録してる最中ですら照は時々暗い顔をしているし、翔太は貧乏揺すりをしていて集中できていないようだった。


ファンクラブでは事故の事は報告済みだから、ファンのみんなを安心させる為にも俺らがしっかりしないといけないのに。
ラウール
ねぇ…俺らがこんなんでも仕方ないから、お見舞い行かない?
目黒蓮
いいねぇ。そうしよ!
宮舘涼太
いいね、行こうか。
優雅な微笑みを浮かべる二人だけどその目の奥には焦りと不安がある。

しばらくの沈黙の後、
岩本照
じゃ、行こうか
という一言でふっかの病院に向かう事になった。
佐久間大介
失礼しまーす!
佐久間が元気よく病室に入れば、外を見ていたふっかがくるりと振り向く。
深澤辰哉
あぁ、こんにちは。
岩本照
今日は自己紹介しようと思って。ふっかと俺らの関係性も言うね。
阿部亮平
阿部亮平です。
ふっかとは……同期。
一人ずつ自己紹介していって、最後は俺の番。
ホントは彼氏って言おうと思った。でも、出来なかったんだ。そもそも記憶を失った原因は俺にあるのに、面と向かってそんなこといえなかった。
深澤辰哉
よろしくお願いします。
佐久間大介
取り敢えず敬語やめない?笑
佐久間がそういえば、ふっかは優しく笑う。
深澤辰哉
よろしく、笑
向井康二
ふっかさん!
そう言って康二が抱き付いても引き剥がそうとしなくって、ふっかの腕の中の康二は今にも泣きそう。

康二はきっとふっかに拒絶されたかったんだよね。
いつもみたいに『離れろ』って。記憶を失った事、認めたくなかったんだよね。

なんか、自分も泣きそうになって、
佐久間大介
阿部ちゃん、どこ行くの?
目黒蓮
阿部ちゃん!
メンバーが呼び止めるのも聞かずに走って走って、病院の屋上まで行った。

空を見上げれば、じわじわと雲が滲んで見える。
なんで喧嘩しちゃったんだろう。


もう、今日は帰ろう。このままここに居ても仕方ないし、今のふっかに俺なんて必要ないから。


乱暴に涙を拭って、タクシーを呼んで家に帰った。