注意!!
今回残酷な表現がかなり含まれているので苦手な方は本当に注意してください!!
あとるぅとくんキャラ崩壊してます……
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バタッ
彼は、その言葉だけを残して地面へ倒れた
その後の事はよく覚えていない
突然目の前が真っ暗になって、心の底から怒りや憎しみの感情が込み上げてきた
多分僕は、その時相当暴れていただろう
気持ち悪い肉の感触、耳が痛くなるほどの悲鳴
気がついたら、首や胸を引き裂かれた村人達の死体と、怯えた黒髪の少年。そして、地面に倒れる彼の姿があった
その日、僕は学んだ
世界が僕を狼ってだけで悪者にしてくるのなら、何をしても意味が無いのだ
僕はもう、どれだけいい事をしても、どんな拷問をされようとも、償えない罪を犯した
僕は死ぬのにふさわしい
そう思った瞬間、怒りの感情が、心の奥底から込み上げてきた
どうして、ならどうして、あの少年が死ななくてはならなかったのだろう
偏見だけで生きるあの生き物は、この世に存在していていいものでは無い
そう思った時、少しだけ心が楽になった気がした
こんな僕でも、まだ生きる理由があるのだと、そう感じたのだ
あれから4年くらいが経った
あの日から、僕は手当り次第人間を殺しては、どこか遠い町に移動をして、また殺す
そんな日々を繰り返していた
ある日、僕は山の中にある屋敷を見つけた
そこは僕にとって最高の場所だった
吹雪になれば、遭難した人達が何人やってきてこの屋敷に泊まる
僕はそれに混じって、夜になれば1人づつ殺していく
そんな日々を繰り返していたある日の事
その日は、7人の人が屋敷に集まった
また、いつも通り殺しては、また次の遭難者を待つ
そうなるんだと思っていた
でも、今回だけは違った
そう、遭難者の中には、僕と同じ人狼がいた
しかも、その身内まで
僕は人間しか殺さない
そう決めていたから、僕は彼を殺さない事に決めていた
彼も、きっと今まで沢山の罵声を浴びせられて、苦しんでいきてきたはず
人狼ならわかるはず。周りに差別され、嫌われる気持ちが……
僕は彼の頬に手をふれ、優しくそう言った
僕は小さく微笑む
僕は、何かを言いたげにしている彼を見て、微笑みながら人差し指を口に当てた
キィィイイイ……ガチャンッ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
その日、僕は莉猫という黒髪の男性を殺した
ころんくんはこちらを睨んできていたけれど、僕にはそんなことどうでもいい
確かに同じ人狼だけど、彼を本気で守りたいと思う気持ちはない
どうせあのお兄さんに愛されて、幸せに生きてきたんだ
そう恨みの思いが溜まっていく
……あれ、僕、最初はあの子のことどう思ってたんだっけ……
その日の夜、僕は思考を回らせながらふらふらと廊下を歩く
何となく近くのドアノブに手をかけて、扉を開ける
ガチャッ……
僕が部屋に入ると彼は、わかりやすく脅えた顔をして部屋の隅に逃げ込んだ
そう言って僕は彼の顎をクイッとこちらに寄せる
そうすれば涙目になって「助けて下さい」と縋るように言う
ザグッ
僕が彼の胸を引き裂くと、色鮮やかな血が外へ飛び散る
彼は地面にばたりと倒れ、もがき苦しみながら僕をじっと見つめてきた
僕はその言葉を無視してドアノブに手をかける
……俺?
………………
何かを言いかけて、彼は動かなくなった
僕は何が言いたかったのかわからず、無視して外へ出ようとすると、彼のポケットから何かがキラリと光った
僕は、その光った物を手に取って確認する
ほとんど血で染っていたが、僅かに写っている景色が見える
そこには、幼い赤色の髪の少年が、笑顔でその写真に写っていた
……そして、その横にある小さなピースをしている手
…………
僕は、倒れて動かなくなった彼の頬に手を当てる
莉犬…………
僕は……僕はなんてことをしてしまったんだ……
莉犬を……あの時の少年を……殺してしまった……
もう来ることは無いと思っていた唯一の幸せを……
僕自身の手で……殺してしまった…
大粒の涙が頬を伝って、彼の目元にぽたぽたと落ちる
僕は、声を出すのを必死に我慢して、その場で1人泣き崩れた
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ー 朝 ー
僕は、放心状態になりながらふらふらと長い廊下を歩く
僕の求めた、唯一の希望を失って、何も考えられずにいた
結局、僕は何も出来なかった
無駄なことばかり繰り返して、求めた幸せは僕自身の手で断ち切って……
本当に、僕は何がしたかったのだろう
莉犬は、人間をどれだけ殺したって帰ってこない
それがわかっていても、辞めることが出来なかった
その結果がこれなのだ
結局、神様は僕に幸せなんて1度も与えてくれなかった
床に横たわる莉犬の死体
それを見て絶望したような表情を見せるころん
僕は……それを見てももうなんとも思わなかった
からっぽの気持ちだった……でも
彼のある一言で僕の心は激変した
そう言って僕を指差す彼
その瞬間、今まで溜まってきた恨みが一気に爆発した
急に心の底から怒りが湧いてきて、大声で叫ぶように彼に怒鳴る
僕はその怒りと興奮で、狼の耳と尻尾をあらわにしていた
僕がそう聞いても、彼は俯いて言葉を返そうとしない
僕はとうとう、爪をむき出しにして彼に飛びかかった
殺す……殺す殺す殺す……
ここにいる全員……この世界すら……もうなくなってしまえばいいんだ……
彼の腕を地面に押さえつけ、力強くぎゅっと握る
ころんの首に噛み付こうとしたが、突然ジェルに両腕を捕まれ引き剥がされる
それと同時にななもりも僕の腕を強く引っ張ってきた
腕を引き剥がそうと必死に体を振るが、力が強くて彼らの腕から抜けられない
僕はよろけて頭を強く地面に打ち付け、その瞬間意識を失った
あれ……ここは…………
気がつくと、僕は見知らぬ真っ白な空間の中にいた
辺りを見渡しても、そこには何も無い
…………ん…………ちゃん…………
誰かに自分の名前を呼ばれたような気がして、後ろを振り返る
すると、遠くにぼんやりと赤い影がうつった
莉犬はそう言うと僕を優しく抱きしめてくれた
彼の温もりが僕に伝わって、大量の涙が目からこぼれる
そうだ…………僕は…………
…………僕は、莉犬に認めて欲しかったんだ…………
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目を覚ますと、僕はあの屋敷の床に横になっていた
隣には、大きな血溜まりがあった
その血からは、ころんくんの匂いがうっすらとした
僕はころんくんにそう謝ると、自分の首に鋭く尖った爪を当てた
……ザグッ
一面に広がる草原
その上に、3人の少年達が、皆で手を繋いで、楽しそうに遊んでいた
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るぅと目線ENDです!!!
長くなったけど書ききったε-(´∀`*)ホッ
……あの、るぅとくんを庇って莉犬くんが銃に撃たれちゃうシーンあるじゃないですか
その後どうやって莉犬くんが生き延びたかとか、あと莉猫さんがいなくなった理由とかもまだ謎じゃないですか
それを小説として書くかどうか悩んでるんですよ……
簡単にここで全部説明して終わっちゃってもいいかなぁなんて思ったりもするんですけど、やっぱり小説にして見たいのかなぁとか色々思ってしまってw
いやぁその、つまりですね、莉犬くん目線が見たいかどうか聞きたいのですが…(最初から言えよw)
でもそもそも見てくれる人が少ないからコメ貰えるかも分からないっていうw
だからどっちがいいですか!とも堂々と聞けないもんで……(^_^;)
もし莉犬くん目線が見たいって人いたらコメしてくれると嬉しいです┏○┓
いなかったら普通に解説しちゃいますw
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。