第11話

親友の為に
703
2018/08/15 12:32
15分走って、野坂公園の入口へ。
公園にはクラスのやつらがかなりいた。
三浦友哉
お前ら!!
和田一樹
友哉、やっと来たか!
坂田宏
アイツら、すげぇ強いんだ!
伊藤珠莉
とも君!お願いだから彩ちゃん
とまー君を助けて!!
珠莉が涙目で俺に訴えてくる。
三浦友哉
え…?
公園の奥に目をやる。
公園の奥には隣の高校の制服を着た男子生徒
に腕を掴まれて動けない彩。その彩は一箇所
に向かって泣きながら叫び続けている。
福永彩
ねぇ、もうやめて!!!
彩の視線の先にいたのは…血塗れの真。
殴られ蹴られているのを必死に耐えている。
隣の高校のやつらは大笑いしながら続けて
いる。
三浦友哉
な、何だよあの光景…
俺は集団に近付きその中の一人に顔見知りが
いることが分かった。
三浦友哉
おまっ…菊地……
女子
んー?妙恵ー、この人知り合い
なのー?
菊地妙恵
えぇ?あ、三浦じゃーん!藍川
の次はお前が来たのー?w
こいつは俺が今まで会った中で一番大嫌いな
女子だ。小学校の時、クラスが同じだった。
菊地はクラスのみんなの前で俺に告って嫌と
言わせないようにした。あの時は嫌と言って
その後にいじめられそうになったのを真が
助けてくれたのだ。
菊地妙恵
まさか、こんなところで藍川に
会えるなんてねーwまぁ、藍川
にはかなり恨みを持ってるし?
そいつ、やっちゃっていいよw
男子
いいストレス発散になるぜ!!
菊地の言葉で真を囲んでいる男子生徒が真の
腹部を思いっきり蹴飛ばした。
藍川真
っ…
菊地妙恵
最初は、藍川だけいじめようと
したんだけどね〜、無視された
からそこの女捕まえたら、必死
に離せって言ってくるわけw
ほんと、ウケるんだけどww
「あ、そうそう。」と言うと、菊地はスマホ
をいじりながら俺の方に来た。
三浦友哉
来んな。
菊地妙恵
まぁまぁ、これ知ってる?w
藍川真
!…待って!それはやめて!!
男子
うっせーんだよ!!
男子
黙れ!!
菊地が見せてきた画面には真が写っている。
けどそれは確実に…いじめられている瞬間に
撮られた写真だった。
小学校時代の真が睨むような目でレンズを
見ている。
菊地妙恵
あと、これとか〜?w
次に見せられたのは…髪を切られている最中
の写真。
三浦友哉
真、お前…
菊地妙恵
誰のせいで藍川はいじめられて
いたと思う?
クスクスと笑いながら、菊地が俺の耳元で
囁く
三浦友哉
!…まさか…
菊地妙恵
そう!そのまさかだよ!三浦が
いじめられるのを庇った藍川が
代わりにいじめを受けた!
つまり〜、三浦アンタのせい。
真が蹴られながらじっと俺と菊地のやり取り
を見ている。
菊地妙恵
ずっといじめてたけど、藍川は
全く泣きもしない。ただ無言で
耐えているだけ。あの時が三浦
だったら藍川は今、こんな目に
あってないだろうねぇ…
三浦友哉
俺のせい…?
菊地妙恵
そう、三浦のせい。あの時が
三浦だったら藍川はこんなこと
にならなかったし、そこの女も
捕まることが無かったんだよ。
分かる?コイツらもさっき何回
か殴られた後ろのやつらも三浦
のせいだよ?
菊地の言葉に俺の心は崩れるようにして、
壊れていった…

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