第6話

勝負と疑惑
696
2018/08/02 12:16
矢野博史
誰か俺と対決してくれ。
博史は柔道部で力も強い。その為、俺から
しても戦うのはごめんだ。
みんなが黙る。
矢野博史
なぁ、颯太。対決しろよ。
高槻颯太
お、俺!?嫌に決まってる!
矢野博史
いいからしろ!!!!
颯太の肩がビクッと揺れる。
高槻颯太
分かった…すればいいんだろ…
矢野博史
勝負内容は決めさせてやるよ。
高槻颯太
じゃあ…かけっこだ。
矢野博史
んじゃ、その端から端な。一樹
公平に審判をしてくれ。
和田一樹
あ、ああ…
一樹が公園の端に行き、二人は反対の端に
立つ。
和田一樹
んじゃ、位置について、よーい
…ドン!!!
二人が走り出す。
しかし、ほんの…ほんの僅かの差で博史が
勝ったのだ。
坂田宏
颯太が負けた…
みんなの着信音が一斉に鳴りだす。
高槻颯太
がっ…うぐっ……
颯太が苦しそうにその場で苦しみ出す。
胸を抑え、過呼吸になっていたが、スグに
動かなくなってしまった…
伊藤珠莉
きゃ、きゃああああああ!!!
珠莉に続き、女子の悲鳴が響き渡る。
06/30 22:13
To:開催者X
title:ミッション
ミッション成功まであと2人。
矢野博史
あと2人…
小林美桜
…私がするよ。
前に出たのは、美桜。
小林美桜
勝負はジャンケン、それなら
公平でしょ。
矢野博史
ああ、いいぜ。
小林美桜
最初はグー、ジャンケン…
矢野博史
ポン!!
美桜はパー、博史は………チョキ。
小林美桜
そ、んな…私の負け……
美桜の首に赤い筋が入る。
小林美桜
い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!
そう叫ぶと同時に美桜の首が落ちた……
鹿島瑚子
うっ…ちょっ、無理……
瑚子がそう言うと、口を押さえ茂みに入る。
おそらく、嘔吐するのだろう。
ピロンッ♪
博史がクリアするまで、残り1人。すると…
峰本沙月
何かさ今日の夕方、友哉のこと
を見たんだけど。あれ、千夏の
家にいたよね?何してたの?
三浦友哉
…別に見に行っただけ。
峰本沙月
へぇ、何を見に行ったの?ミッ
ションに従わなかった千夏が死
んだのかを見に行ったの?
クスクス笑いながら、言う沙月。
まさか…沙月、お前…っ…
峰本沙月
本当は知ってたんじゃない?
この投票がお遊びじゃなく死の
投票だってことが。
言い放った途端、みんなの視線が俺に集まり
雷が鳴り、雨が降り始めた。
三浦友哉
……。
沙月のやつ、俺を最後の犠牲にさせようと
してやがる…!!
瀬戸鈴菜
えー、マジィ?友哉、サイテー
なやつじゃんw
いつと沙月と行動する鈴菜が煽るように言う
武藤晋助
友哉、本当か…?
三浦友哉
ち、違う!俺は知らない!!!
福永彩
そうだよ!友哉は違うよ!
峰本沙月
彩、彼女のアンタが言っても、
説得力は無いよ。
冷たく言い放った沙月に肩を揺らした彩は
俯き黙る。おそらく、咲玖がフォローして
くれても同じことになるだろう。
今の沙月と鈴菜のおかげで俺が一気に疑わ
れた。
誰が知ってるとか俺が聞きてーよ……
大北健斗
なら、友哉を殺したら死の投票
も終わるんじゃねーか?
三浦友哉
は…?
健斗の一言が引き金となった。
周りで聞いていた男子が俺を地面に押さえ
つける。
泥水が口の中に入った、凄い気持ち悪い…
武満咲玖
友哉!!!
咲玖が俺に駆け寄ろうとするが、数人の男子
が動けないように両腕を掴まれている。
三浦友哉
ゴホッゴホッ…俺じゃねーって!!
瀬戸鈴菜
犯人の人って自分はやってない
とかよく言うよね〜w
峰本沙月
あ、それな!w
矢野博史
友哉、どうする?俺と勝負する
なら離してやるよ。
両腕を掴まれ、押さえつけられている俺は
身動きが全く取れない。
三浦友哉
っ…!!
畜生、畜生、畜生!!!!!
俺はこんなところで死ぬわけには…!!
心の中で叫ぶも声にならないこの言葉。
彩と咲玖の声とクラスのみんなの笑い声が
聞こえている。
クソっ…!どうにかしないと……!!

プリ小説オーディオドラマ