俺達は警察に散々話して夕方頃に解散。
家に帰り、母さんに説明をするとスグに理解してくれた。
中二の弟、湊翔が学校から帰ってくる。
何で彩と宏、他のみんなも死んだのに呑気に
ゲームなんか……
それから、俺は真と湊翔のゲームを眺めて、
晩飯を食うと、自室に入りベッドに転がった
少しして、洗い物を手伝っていた真が入ってくる。
俺は枕に顔をうずめてそう問う。
そういや、真の性格上そうだった。
自分より相手のことを先に考えるっけ。
「これ」と言って渡されたのは1つの便箋。
便箋は真が使っている物だ。
俺は中から手紙を取り出し中身を読む。
友哉へ
ごめんなさい。
こんなに勝手な私を許してください。
私は死の投票が始まって頑張ってきたけど、
やっぱりみんなが死んでいくのには耐えれ
なかった。友哉や真、咲玖と生きたいという
願望もあったけど、耐えれず自殺することに
した。友哉を残して死んじゃうのは少し痛い
けど、真と咲玖がいるからきっと大丈夫。
辛くなったら2人に頼ってね?咲玖は親友と
して、真は小さい頃からの仲としてきっと
手伝ってくれる。私は傍にいれなくなった
けど、多分2人はずっといてくれるよ!真と
付き合うのもありかもしれないね。
友哉、本当に今までありがとう。
彩より
最後の方は字が歪んでいた。
真は俺に背を向け無言で手紙を読んでいる。
横から表情を見ると、少し悲しそうな表情を
しているが、微笑んでいる。
俺はいつも思っている質問をする。
真の眉が一瞬ピクリと動いたが、やがて笑顔
でこう言った。
さっきまで真顔しか無かった俺は今の真の
言葉で久しぶりに笑ったような気がした…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!