第15話

手紙
627
2018/08/08 11:43
俺達は警察に散々話して夕方頃に解散。
藍川真
友哉…
三浦友哉
どうした…
藍川真
あの…今日、泊まってもいい?
警察が家にいて入れないし…
三浦友哉
いいぞ…
藍川真
ありがと…
家に帰り、母さんに説明をするとスグに理解してくれた。
湊翔
お、真姉だ。今日泊まり?
中二の弟、湊翔が学校から帰ってくる。
藍川真
うん〜
湊翔
じゃあ、またゲームしようよ。
三浦友哉
湊翔、俺達は疲れてん ──
藍川真
いいよ〜
三浦友哉
え…
何で彩と宏、他のみんなも死んだのに呑気に
ゲームなんか……
それから、俺は真と湊翔のゲームを眺めて、
晩飯を食うと、自室に入りベッドに転がった
少しして、洗い物を手伝っていた真が入ってくる。
三浦友哉
何でゲームなんかしてんだよ…
…彩が死んだってのに……
俺は枕に顔をうずめてそう問う。
藍川真
気分的には乗り気じゃないけど
湊翔がしようって言ってるし…
それに…
三浦友哉
それに?
藍川真
僕の行動で誰かを悲しませたく
ないんだ…
三浦友哉
そっか…
そういや、真の性格上そうだった。
自分より相手のことを先に考えるっけ。
藍川真
あと、これ…
「これ」と言って渡されたのは1つの便箋。
三浦友哉
何これ…
藍川真
起きたら枕元に置いてあった…
僕と友哉宛の2つの便箋。時間
が無くてまだ僕も読んでない。
三浦友哉
彩からか…
藍川真
うん…僕は使ってないし…
便箋は真が使っている物だ。
俺は中から手紙を取り出し中身を読む。
友哉へ

ごめんなさい。
こんなに勝手な私を許してください。
私は死の投票が始まって頑張ってきたけど、
やっぱりみんなが死んでいくのには耐えれ
なかった。友哉や真、咲玖と生きたいという
願望もあったけど、耐えれず自殺することに
した。友哉を残して死んじゃうのは少し痛い
けど、真と咲玖がいるからきっと大丈夫。
辛くなったら2人に頼ってね?咲玖は親友と
して、真は小さい頃からの仲としてきっと
手伝ってくれる。私は傍にいれなくなった
けど、多分2人はずっといてくれるよ!真と
付き合うのもありかもしれないね。

友哉、本当に今までありがとう。

彩より
最後の方は字が歪んでいた。
三浦友哉
クソ…っ…!
藍川真
……。
真は俺に背を向け無言で手紙を読んでいる。
三浦友哉
……。
横から表情を見ると、少し悲しそうな表情を
しているが、微笑んでいる。
藍川真
…友哉、出来ることがあるなら
僕が手伝うから…絶対に一人で
抱え込んだりしないで。
三浦友哉
分かった…
俺はいつも思っている質問をする。
三浦友哉
…真はさ何でいつも笑ってる?
お前が泣いた姿とか見たことが
無いんだけど…
真の眉が一瞬ピクリと動いたが、やがて笑顔
でこう言った。
藍川真
僕の笑顔でみんなが笑顔になれ
ば、いいな!って?
三浦友哉
何だそれw
さっきまで真顔しか無かった俺は今の真の
言葉で久しぶりに笑ったような気がした…

プリ小説オーディオドラマ