第4話

No.4
7,834
2021/09/12 14:03
緑谷出久
そ、そんな規定はもうないよ!前例がないだけで...







出久がそう言った、その時だった。





勝己が個性で出久の机を爆破したのは。







爆豪勝己
コラデク!!







尻もちをついた出久を、勝己が見下ろす。







爆豪勝己
没個性どころか無個性のテメェがァ、なんで俺と同じ土俵に立てるんだァ!?
あなた
勝己!やめなさい!







私は思わず立ち上がり、勝己の元へと歩み寄る。







緑谷出久
まっ、違う!待ってかっちゃん!別に、張り合おうとかそんなのは全然、本当だよ!?







焦ったように言うと、出久は俯いた。







緑谷出久
ただ、小さい頃からの目標なんだ。それにその、やってみないと、わかんないし...
爆豪勝己
なにがやってみないとだァ!!?記念受験か!!?テメェがなにをやれるんだ!?無個性のくせによォ!!
あなた
勝己!!







私は思わず、出久の前に立ちはだかった。





とたん、勝己が軽く爆破を起こして威嚇する。







爆豪勝己
退けやあなた!!
あなた
退かない!出久がヒーローに憧れてたのは知ってるでしょ!?なんでそんなこと言うの!?
爆豪勝己
あ"あ"!?無個性の野郎が雄英受けて合格できるわけねぇだろうがァ!!
あなた
そんなのやってみなくちゃわかんないでしょ!?てか、なんでもすぐに爆破しようとしないで!先生も言ってたけど、校内では個性発動禁止のはずよ!
爆豪勝己
...ちっ







そう言い合いながらしばらく睨み合っていたが、やがて勝己が舌打ちをして、席に戻っていく。





このやり取りはもはや日常茶飯事。





出久を庇って私と勝己が言い合いになり、最終的には勝己が折れる。





これがほぼ毎日のやり取りだ。







あなた
出久、大丈夫?
緑谷出久
う、うん...。ありがとう、あなたちゃん







座り込んでいる出久の手を取り、立ち上がらせる。





全く、いつになったら仲良くしてくれるのかなぁ。





幼馴染なんだから、2人には仲良くしてほしいのに。









***









モブキャラ
ねぇあなたちゃん、カラオケ行かない?







放課後になると、クラスメイトの女子たちが声をかけてくる。







あなた
あー...ごめんね、今日は行かなくちゃいけないところがあるから
モブキャラ
そっかぁ、じゃあまた今度遊ぼうね!
あなた
うん、ありがとう







クラスメイトたちを見送り、私は鞄を持って立ち上がる。





文房具買いに行きたかったんだ。





勝己と一緒に帰ってもよかったんだけど、本人はいつもの人たちと一緒にいるから、今日はいっか。





別に勝己に問題があるわけじゃないんだけど、ただ私があの人たちを苦手だ、って思ってるだけで...。





うーん、難しいなぁ。

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