そう言うと、先生は突然プリントの束を掴み、放り投げた。
その言葉で、クラスメイトが騒ぎ出す。
まあ、確かに先生の言う通りだとは思うけどね。
私だってそうだもの。
全く、お祭りじゃないんだから。
思わず軽くため息をついた、と。
私の席の前にいる勝己が、声を上げた。
机の上にはどっかりと両足を乗せて、椅子に寄りかかっている。
相変わらず行儀悪い。
とたん、クラスメイトたちがぎゃあぎゃあと騒ぎ出す。
ああもう、すぐに周りの人たちを煽るような言い方するんだから。
とたん、また周りがざわつく。
国立雄英高等学校。
勝己や私が第一志望とする、名門校だ。
No.1ヒーローのオールマイトをはじめとする、多数のスーパーヒーローたちを排出した実績とネームバリューで、ヒーローを目指す日本全国の中学生の憧れの的となっている名門中の名門。
まあ、名門校と言われるだけあって、偏差値とかはかなり高めなんだ。
だから、精一杯勉学に励まなきゃいけない。
勝己はそう言うと、がたん、と音を鳴らして机に飛び乗った。
みみっちさランキングなら今でも堂々の1位だよ。
全く、すぐにそうやって熱くなるんだから。
先生の言葉を聞いて、勝己はかたまる。
クラスメイト全員が、出久の方に目を向ける。
そして、
一斉に大笑いし始めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。