第10話

No.10
6,875
2021/09/17 06:42
爆豪勝己
入ンぞ







夜。





就寝支度を終えて部屋で授業の復習していた私は、その声を聞いてドアの方に身体を向ける。





私がそうしたと同時に、勝己が部屋の中へと入ってくる。







あなた
もうちょっとで復習終わるから、ベッドにでも座って待っててよ
爆豪勝己







そう言うと、勝己は大人しく私のベッドに腰掛ける。





...すっごい視線感じるんだけど。





私は後ろから勝己の視線を感じ取りながら、なんとか今日の分の復習を終える。





パタン、とノートを閉じてから、私はこちらを見つめている勝己の隣に腰掛けた。







あなた
さてと。今日のかっちゃんはなにをご希望かな?
爆豪勝己
ガキ扱いすんなぼけ
あなた
別にしてないよ







ムスッ、と唇を尖らせたのを見て笑うと、勝己は私の肩にぽすっ、と頭を乗せてくる。





それから軽くぐりぐりと擦り付けてきたかと思うと、顔を上げてこちらを見つめた。







爆豪勝己
...構えや
あなた
はいはい







再び身体をこちらに預けて寄り添ってくる勝己の頭を、軽く撫でてやる。





2人になるといっつもこうなるんだから。







あなた
かーつき
爆豪勝己
んだよ
あなた
今日は甘えたなのかな?
爆豪勝己
...わりーかよ







そう言いつつも顔を上げない彼を見て、思わず笑う。





控えめに背中に腕をまわされ、それに応えるように私も同じように抱きしめる。





そうすれば、勝己は遠慮なく抱きついてきた。





これ出久が見たらどうなるかなぁ。





まあまずは勝己がキレ散らかすよね、絶対。







あなた
勝己は甘えん坊だね
爆豪勝己
うっせ







そう言いながらも、私の身体を包む腕の力が弱まることはない。





学校と家でのギャップがえぐい...。





実の弟とわかっていながらもその姿にキュンとしてしまう私は、きっとどうかしてる。







爆豪勝己
...なあ、あなた
あなた
んー?







頭を撫でていると、勝己は顔を上げて私を呼ぶ。





ルビーのような紅い瞳が、こちらを見つめている。







あなた
どうしたの?
爆豪勝己
キスしろや
あなた
えー







急だな。





私の反応を見て、勝己はムスッ、と唇を尖らせる。





あーもう、しょうがないな。






あなた
おでこでいい?
爆豪勝己
は?唇に決まっとんだろが
あなた
はいはい







私たちは実の姉弟だ。





それをわかっていながらも、私たちはお互いに姉弟に向けるものではない感情を抱いている。





だからキスなんて、平気でできるんだ。





...正直、照れるけど。







あなた
ん。これでいい?







ちゅ、と触れるだけのキスをして離れ、私は勝己を見つめる。





が、勝己は私の腕をがしっ、と掴むと、自分の方に引き寄せた。







爆豪勝己
足りねぇな







そう言って、驚いている私を見て舌なめずりをした。

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