第23話

Case18:ノミの心臓
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2020/10/06 13:49
〇氏名   :   瞬あなたまばたきあなた
〇個性   :   瞬間移動
→ワープとは違う。瞬単身での瞬間移動はもちろん可能だが、瞬が触れている物や人と同時に瞬間移動も可能。
〇年齢   :16歳
〇備考   :   インターンで行動を共にしてから天喰先         輩しか勝たんが口癖
💨 💨 💨


『瞬間移動』
あなた
好きです付き合ってください。
天喰環
ま、瞬さん…?!ここ、3年の教室…だけど……って、もう渡り廊下、?!
授業が終わってから3年の教室へたどり着くまでの時間およそ0.2秒。


そこから天喰の手を掴んで渡り廊下へ移動完了するまで1秒はかからない。
そんな高速移動が可能なのは、ヒーロー科1年A組に所属する瞬あなたのみ。
あなた
個性使わせていただきました。
天喰環
つ、ついに個性まで駆使してくるとは……
この会話を聞いての通り、瞬は天喰のことが大好きで、1日1回は告白する。


ただ、天喰が首を縦に振ってくれた試しは未だ1度もない。
最近になっては告白を受け入れるどころか、逃げ出そうとしてしまう始末。
逃げられてしまっては元も子もない。と瞬は強行手段で個性を使うようになった。
授業が終わってからすぐに個性発動、そして3年教室に乗り込むと、また個性発動して渡り廊下まで移動してきたのである。
あなた
今日も答えはノーですか?
天喰環
…ごめん……
瞬の顔を直視できない天喰は、壁に向かって言葉を発する。
あなた
(そんなところも好き)
ちなみに瞬あなた、真顔です。
そしてさらにちなみに、2人が向き合って話したのはインターン中の1度だけです。
あなた
1つ、聞いてもいいですか?
天喰環
いいよ、
あなた
どうしても付き合えない理由とかって、あるんですか?
天喰環
この質問をするのは案外初めてかもしれない。
そうしみじみと思う瞬。
天喰環
俺みたいな人間といても…きっとつまらない……それに、それに……
あなた
それに…?
「もし、付き合って別れてしまったら…もう瞬さんとは…関われなくなってしまう…」


つまりはこうだ。付き合わない限り、友達でいられるし、いつも話しかけてくれるだろう。


天喰にとって、瞬と関われなくなることが1番の悲しみ。


結局、天喰も瞬が大好きなのだ。


でも、こんな思いを持っていながら言葉にすることができない。伝えられない。
天喰環
ダメだ…やっぱり(伝えるのは)無理だ……
あなた
…?!
(もしや、そもそも私の事が好きではない、?!)
かなり、勘違いをしている様子の瞬。


天喰さんからの言葉に出てないだけで相当愛されてますよ、瞬さん。
あなた
(私が嫌われる要素は、強引なところとしつこいところ…うん。天喰先輩の苦手そうな人間だわ、私。)
かなり強引で、かなりしつこいところがある。なんて今まで考えなかったのだろうか。
あなた
そうですよね…よし、今日で先輩のことは諦めます。
天喰環
え、
想定外の結末に、天喰の頭は一気にパニックへと陥る。
あなた
これまでもこれからもずーっと私は先輩が大好きです。
「私の事忘れないでくださいね。」


と少し悲しそうに微笑んで、瞬は踵を返した。
💨 💨 💨

『頑張れ先輩』
何歩か歩いたところで、右手をぐいっと掴まれ、足が自然と止まる。
あなた
…せん、ぱい?
自分の右手を掴む主を確認するべく、後ろを振り返ろうとしたとき、「振り返らないで」と大好きな天喰の声が聞こえた。
天喰環
多分、瞬さんと目を合わせて話そうとしたら……俺の心臓が止まると思う……
あなた
えと、そんなにですか?
思わずふふっと口から笑いが零れる。
天喰環
うん、それくらい緊張する……
「俺はさ…」
と少し震えながら言葉を投げかける天喰は、丁寧に言葉を選びながら話始める。
天喰環
瞬さんと関われなくなることが…1番嫌なんだ……
天喰環
付き合っていれば、いずれ別れが来てしまうし……だから、断り続ける限りは…
天喰環
ずっと、瞬さんが…声をかけてくれるんじゃないかって…甘えてて…
あなた
え、じゃあ…私の事嫌いじゃないんですか?
天喰環
嫌いじゃない。むしろ……
「俺は、瞬さんのことが……好き、です///」
まさか天喰からこんな言葉が出てくるなんてと驚きつつ、嬉しさで昇天しそうな瞬。
あなた
…無理好き。
今回も真顔かって?いいえ、どんなに頑張っても口角が上がってにやけてしまうのです。
💨 💨 💨

『ずっと』
あなた
先輩の言ってた言葉には1つ誤りがあります。
教室に帰るべく、2人は並んで歩いていた。


その途中でふと思い出したかのように瞬は天喰に話しかける。
天喰環
…?
あなた
『もし付き合って、別れたら』って心配してましたけど、せっかく大好きな先輩が付き合ってくれたのに、この私が手放すわけないじゃないですか。
天喰環
瞬さんは…俺とずっと、一緒にいてくれるの…?
あなた
え、当たり前じゃないですか。
「とことんしつこいですよ私!!」


と自慢げに胸を張る。


これ、自慢できるところなのでしょうか。
天喰環
それじゃあ、これからも…一緒にいてくれると嬉しい…です…///
大好きな人と、思いが通じあった時ほど嬉しいものは無いな。


そう感じながら、天へ召されかけた瞬あなたでした。
〜作者から〜

全然更新できてなかったので、お詫びの気持ちをこめて3話一気に更新です!!

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