〇氏名 : 瞬あなた
〇個性 : 瞬間移動
→ワープとは違う。瞬単身での瞬間移動はもちろん可能だが、瞬が触れている物や人と同時に瞬間移動も可能。
〇年齢 :16歳
〇備考 : インターンで行動を共にしてから天喰先 輩しか勝たんが口癖
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『瞬間移動』
授業が終わってから3年の教室へたどり着くまでの時間およそ0.2秒。
そこから天喰の手を掴んで渡り廊下へ移動完了するまで1秒はかからない。
そんな高速移動が可能なのは、ヒーロー科1年A組に所属する瞬あなたのみ。
この会話を聞いての通り、瞬は天喰のことが大好きで、1日1回は告白する。
ただ、天喰が首を縦に振ってくれた試しは未だ1度もない。
最近になっては告白を受け入れるどころか、逃げ出そうとしてしまう始末。
逃げられてしまっては元も子もない。と瞬は強行手段で個性を使うようになった。
授業が終わってからすぐに個性発動、そして3年教室に乗り込むと、また個性発動して渡り廊下まで移動してきたのである。
瞬の顔を直視できない天喰は、壁に向かって言葉を発する。
ちなみに瞬あなた、真顔です。
そしてさらにちなみに、2人が向き合って話したのはインターン中の1度だけです。
この質問をするのは案外初めてかもしれない。
そうしみじみと思う瞬。
「もし、付き合って別れてしまったら…もう瞬さんとは…関われなくなってしまう…」
つまりはこうだ。付き合わない限り、友達でいられるし、いつも話しかけてくれるだろう。
天喰にとって、瞬と関われなくなることが1番の悲しみ。
結局、天喰も瞬が大好きなのだ。
でも、こんな思いを持っていながら言葉にすることができない。伝えられない。
かなり、勘違いをしている様子の瞬。
天喰さんからの言葉に出てないだけで相当愛されてますよ、瞬さん。
かなり強引で、かなりしつこいところがある。なんて今まで考えなかったのだろうか。
想定外の結末に、天喰の頭は一気にパニックへと陥る。
「私の事忘れないでくださいね。」
と少し悲しそうに微笑んで、瞬は踵を返した。
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『頑張れ先輩』
何歩か歩いたところで、右手をぐいっと掴まれ、足が自然と止まる。
自分の右手を掴む主を確認するべく、後ろを振り返ろうとしたとき、「振り返らないで」と大好きな天喰の声が聞こえた。
思わずふふっと口から笑いが零れる。
「俺はさ…」
と少し震えながら言葉を投げかける天喰は、丁寧に言葉を選びながら話始める。
「俺は、瞬さんのことが……好き、です///」
まさか天喰からこんな言葉が出てくるなんてと驚きつつ、嬉しさで昇天しそうな瞬。
今回も真顔かって?いいえ、どんなに頑張っても口角が上がってにやけてしまうのです。
💨 💨 💨
『ずっと』
教室に帰るべく、2人は並んで歩いていた。
その途中でふと思い出したかのように瞬は天喰に話しかける。
「とことんしつこいですよ私!!」
と自慢げに胸を張る。
これ、自慢できるところなのでしょうか。
大好きな人と、思いが通じあった時ほど嬉しいものは無いな。
そう感じながら、天へ召されかけた瞬あなたでした。
〜作者から〜
全然更新できてなかったので、お詫びの気持ちをこめて3話一気に更新です!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。