第24話

Case19:ものまねカップル
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2020/10/08 12:24
〇氏名   :   万音あなたまねあなた
〇個性   :   人真似
→作中にて詳しく説明
〇年齢   :   16歳
〇備考   :   物間寧人の彼女
ヒーロー科1年B組に所属
🎭 🎭 🎭

『始まりは』
《なんであなたは泣いてるの?》
夕闇迫る河原で、1人寂しく泣いている銀髪の女の子のもとに金髪の男の子が駆けつけ、話しかける。
「ヒーローにはなれないって…言われたから、」
男の子の問いに、声をつまらせながら答えるあなたという女の子。
《なんであなたはヒーローになれないの?》
淡々と質問を重ねていく男の子。
「ザコ個性だから…」
《あなたの個性って?》
「私の個性は、人真似  .    .    .
《人真似って?》
「全然、戦い向きじゃない…人の声とか姿とか、個性  .     .  を真似するだけ…」
《僕と似た個性だね。僕の個性は、触れた相手の個性をコピーするもの。》
「寧人は…触れるだけでいいけど、私は…その…」
《あなたは?》
「…キスすることで、個性をコピーするの…」
《へえ…それなら、》
そして幼い2人の影は、重なった。
🎭 🎭 🎭

『好き』
あなた
万音あなた、個性は人真似です!
万音は、ただの落ちこぼれと散々罵られ、ヒーローは諦めろと言われてきた。


それでも決して努力を怠らず、ヒーロー社会の最高峰、雄英まで上り詰めたのだ。
ここまで万音が来れたのには、約10年前の幼く弱い万音に、勇気と力を与えた1人の男の存在が大きい。
物間寧人
僕は物間寧人、個性はコピー。言っておくけどあなたに手を出そうとか考えるのは100万年早いからな。
あなた
うん、寧人初日からそれはダメだよ〜、
そう、万音あなたをここまで育て上げたのは他の誰でもない、この男「物間寧人」である。
.

.

.
あなた
まさか寧人と一緒に雄英来れるなんて思ってなかった!どれもこれも寧人のおかげだよ〜
物間寧人
僕は、あなたと一緒に生きるってとうの昔に決めたからね
なんでこんな恥ずかしいことを平気で口にできるのか、なんとも不思議でたまらない万音あなたです。
あなた
嬉しいこと言ってくれるね、ほんと。
物間寧人
それより、何やらA組との合同演習があるみたいだけど、あの憎きA組をやっと倒すチャンスが…
あなた
いやいや、憎くはないけどw
拳藤一佳
お2人さん、熱いねえ〜!
あなた
一佳ちゃん!
拳藤一佳とは、入学初日で意気投合。すぐに仲良くなったのである。


また、万音の不在時に物間が暴走すればそれを宥めてくれるクラスの姉御系女子だ。
拳藤一佳
今日の合同演習、A組相手に戦うんだってさ〜、勝てるかな私ら。
物間寧人
拳藤、勝てるかじゃない。僕達が絶対勝つさ。
こんなに真剣な目をした物間を久しぶりに見るなあと感じた万音は、周りに悟られぬよう静かに闘志を燃やし始めたのだった。
演習の内容は、同じクラスの中で5人1組となり、その中から1人リーダーを決める。


そしてA組とB組とで1組ずつ戦い、メンバー全員を戦闘不能にするか、敵チームのリーダーを探し出し、リーダーにカフスを付ければ勝利。
あなた
私達のメンバー、ちょっと心配…
万音が心配になるのもそのはず。


何せ相手チームが強すぎる…!
《A組》
爆豪、緑谷、麗日、轟、耳郎
《B組》
万音、物間、小大、泡瀬、鉄哲
物間寧人
ははっ、あなたは僕達が負けると思っているのかい?
あなた
いや、そうは思わないけどさあ…ちょっと相手が悪いねえ
鉄哲徹鐵
相手が何であろうと俺らなら大丈夫だぜ!きっと!
「そうだね、うん!きっと大丈夫!!」


と自分の心を奮い立たせる万音である。
あなた
5分でどうにかしよう。
🎭 🎭 🎭

『底辺から這い上がれ』
リーダーは小大に決定し、一直線に攻めてくるはずであろう爆豪の食い止め役に鉄哲が。


そして敵地に万音が乗り込み、その間の小大の護衛を泡瀬と物間が。


これで役割分担が決まり、早速万音は乗り込む準備を始めた。
あなた
(カフスを持っているのは、麗日ちゃん。爆豪くんに隠れて攻めてきたら拐うのは簡単だけど、来なかった時がなあ…)
爆豪勝己
全員再起不能にしてやるぜクソモブ共がァ!!!!!!
来た、早すぎる、!
鉄哲徹鐵
ここは俺に任せて行け!!万音!!!!
あなた
了解、!
.

.

.
敵の陣地に残っていたのは、緑谷、麗日、耳郎の3人。


爆豪と一緒に轟まで攻め込んで行ったのか…


と少し不安になる万音。
あなた
(私が早くやらなきゃ。)
感知タイプの耳郎に気づかれることを防ぎたい万音は、足音を最小限に抑えて歩き出す。


ゆっくりと近付き、背後から麗日の口を塞いで後ろから抱き着く形で遠くへ逃げた。
麗日お茶子
万音、あなたちゃんや、!個性分からんから気をつけてってデクくんに言われとったのに…!
あなた
麗日お茶子ちゃんだね。会話成立、接触成功、コピー完了。
そう、万音と会話をすることでその相手は声を真似られ、ハグをした相手は姿をも真似られてしまうのだ。


「ここでしばらくじっとしててね。」


ニヤリと笑って、麗日の手にB組のリーダー捕獲用のカフスをつける。


1度しかカフスは使えないため、これでA組の勝利条件は、B組のメンバー全員を戦闘不能にすることだけとなった。
あなた
ごほんっ
と1度咳払いをすると、麗日の姿になり、麗日の声で話し始めた。
あなた
よし
走ってA組の陣地へ向かうと、緑谷と耳郎が麗日を取り戻す算段を立てていた。
あなた
デクくん〜、あかん、一瞬捕まってもた!
緑谷出久
麗日さん!
耳郎響香
麗日!無事でよかった、!
見た目も声も、話し方まで完璧にコピーできる。


疑われることは早々無いだろう。
あなた
やっぱりデクくんの言った通り、万音ちゃんが危険や…リーダーはもうバレとるかも…
緑谷出久
ねえ、君ほんとに麗日さん?
あなた
そうやけど、もしかして疑っとる?
耳郎響香
え、え?!
疑いの心を決して隠そうとしない緑谷の警戒は1層高まっていく。
あなた
(しょうがない。奥の手を使うか…)
あなた
じゃあ、個性を使って見せたら信じてくれる?
耳郎響香
それなら確実に信じれる、よね?緑谷、!
緑谷出久
そうだね、
万音は近くにあった木に触れ、木を浮かして見せると緑谷はホッとしたような表情を見せた。


ここで疑問が生じる。


麗日とキスをしていないのになぜ麗日の個性をコピーできているのか。


幼い頃、物間とキスをすることで万音は物間の個性をコピーした。


その物間の個性、つまり触れるだけで相手の個性を5分間コピーできる力を手に入れたというわけである。
万音の人真似は、物間のように時間制限はなく、1度真似した声、姿ならばいつでも真似できる。


キスすることで真似られる個性のストックは2つまでと制限はあるものの、時間制限はない。


声と姿を真似る条件を達成することができても、結局は個性を真似るための条件が難関すぎて戦えないという理由で散々罵られてきた。


それは万音自身も理解していた。


しかし、物間のおかげで相手に触れるだけで個性がコピーできるようになったのだ。
あなた
(寧人には感謝してもしきれないね)
耳郎響香
よかったよかった、
緑谷出久
とりあえずリーダーは僕だから…
あなた
(緑谷くんがリーダーか、)
あなた
あ、じゃあ私じゃなくてデクくんがカフス持ってたらリーダーには見えんかも、!
耳郎響香
そうだね!
カフスを渡すフリして、右手にサッとカフスをかける。
緑谷出久
え…?
あなた
コピー解除
そう呟いた瞬間姿と声が元に戻り、絶望に浸った顔の緑谷と耳郎を置き去りにするように、演習終了の合図が鳴り響いた。
🎭 🎭 🎭

『ヤキモチ?』
あなた
向こうがどう戦うつもりだったのかは分からないけど、こっちの作戦勝ちかな?
緑谷出久
恐るべし万音さん…!今度個性について詳しく教えてほしいな、!
「いいよ!」


さっぱりとした笑顔を緑谷に振りまく。
その次の瞬間、腕の間からさっと手がでてきてがっしりと後ろからホールドされる。
物間寧人
そんなかわいい笑顔振りまかないでほしいんだけどー
身長170cmの物間が、身長155cmの万音の肩に顎を乗せて、じとっとした目付きで緑谷を睨む。
緑谷出久
び、B組の!ちょっと心がアレな人…
あなた
心がちょっとアレ…?そうなの?寧人
物間寧人
それはあなたと一緒にいないときだけのことさ。
「ふーん、ま、寧人が元気ならいいけど」


と少しはにかむと、口元のえくぼが目立つ。
爆豪勝己
チッ、さっきはよくも騙してくれたなァ…
物間寧人
なんのことだい?君の見る目がなかっただけだ。
あなた
???なんの話?
話を聞いてみると、 何やら万音の個性をコピーした物間は小大の姿になり、ギリギリまで粘ったことで爆豪は怒っているらしい。
緑谷出久
(物間くんの個性は、コピー…コピーで万音さんの個性を使えるのは5分間だけだから万音さんがこっちにくるギリギリまで2人は触れ合っていた、?!)
緑谷出久
一体、2人はどこまで…
あなた
せ…
物間寧人
うぉおおい、あなたーーー??
「何を言い出すんだ?!あのときのアレは内緒にしようって話だろ、?」
何やら暴露されてはならないようなことまでしちゃっているため、とにかく物間は焦る焦る。
緑谷出久
(あ、やることやってるんだなあ…)
あなた
え?「精神統一がお互いに図れるくらい強いんだよ」って言おうと思ってたんだけど、、
これ以上緑谷と話していたら、自分がボロを出してしまいそうだからと物間はそのまま万音を抱き抱えて駆け出したのだった。
あなた
わ、わー!寧人、急になに?!緑谷くんまた今度ねえええ、!!
🎭 🎭 🎭

『独占欲の塊』
校舎裏に着くと万音を優しく地面に下ろし、物間はふっと一息ついた。
あなた
もしかして…ヤキモチ、?
物間寧人
(最初はヤキモチだったからあながち間違いでは無いか…)
物間寧人
まあ、ね。
あなた
寧人かわいい…!!
「かわいいか…」


万音に聞こえるか聞こえないかくらいの声の大きさで呟いて、俗に言う壁ドンをした。
あなた
え、と…?///
物間寧人
僕は男だってことを忘れられたら困るよ
そう言って、食いつくようにキスをする。
長い時間が過ぎたように感じた。


ゆっくりと唇を離したとき、万音はふにゃっと笑って、
あなた
寧人が…私の彼氏でよかった。
と今にも溶けそうな声でそう言った。
万音にとって、唯一無二の存在は、他の誰でもない「物間寧人」ただ1人である。
それはもちろん、逆も然り。
この万音の、火に油を注ぐような発言を受けて、物間の万音愛が強まり、何度も唇を重ねた。
そして、他の組の戦っている最中にバレないようクラスメイトの輪に戻ったが、ブラドキングに無事バレて、ゲンコツを2人で食らいましたとさ。
〜作者から〜

待って、物間くんの独占欲が強すぎてこんな人だったっけレベルにやばいことんなりました🙇‍♀️
申し訳ないです💦

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