第46話

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2021/10/11 01:03
🐯 「 もう俺から離れるの禁止な 」














そう言えば俺の顎に手をかけて、再び唇を重ねようとする先生。しかしそれとほぼ同時に、遠くから微かにがちゃりとドアの開閉音が聴こえた。すると急に俺の口元が先生の大きな手で覆われる。"急に何.." そんな言葉も出ないまま、もう片方の手の人差し指を立て、自らの唇に軽く触れさせて、少しの音も出さないようにしている先生を見つめる。















暫くするとどこかからレジ袋か何かが置かれる音がした。恐らく受付の机に置かれたのだろう。ということは帰ってきたのは "保健室の先生" 。すると案の定、保健室に隣接しているベッド置き場に繋がるドアが開けられる。その音と共に少しずつ近づいてくる足音。















?? 「 ジョングクー 、起きてるか?もう昼だけど 」















すると間仕切りカーテン越しに俺の名前が呼ばれた。起きてます。そう言えばいいものを
























🐯 「 言うな 」















🐯 「 何も言わなくていい 」
















そう聞こえるか聞こえないかぐらいの声で囁く先生。そんな先生の指示に従うように、俺はただ息を潜めて目を閉じる。目を閉じたのは、この時間が一刻も早く過ぎるようにと願う意が、俺自身に込められたから。..そうなんとなく察してしまったんだ。というか、察するのがあまりにも遅かったのかもしれない。
















傍から見ればこの状況、先生が俺のベッドに乗り込んで、俺が完全に押し倒されているというもの。おまけに俺の口元を手で覆わしてるのだから、ある意味教育委員会に訴えられるような案件なのだ。普通に考えて、第三者が見ればこの体勢はかなりやばい。つまり教師と生徒という立場である俺たちにとって、なかなか強烈な問題なのだ。先程までの甘い時間はどこへ行ったのやら、あっという間に張り詰めた空気へと変化して。















?? 「 ..まだ寝てんのか、 」















するとそんな時間も束の間。再び遠ざかる足音と、ドアノブが捻られる音が聞こえる。閉じられた扉の音が部屋の中を木霊した。その瞬間、なんとも言えない安堵が俺たちを包んだ。俺の口元から手を離し、ため息をつきながらベッドの端に座る先生。先生が動けば案の定ギシギシと音を立てるベッド。本当に色々危なかったんだな、と思わず胸を撫で下ろす。壁1枚で隣接しているだけだけれど、こんなにも壁が頼もしいと感じたことは無い。















🐯 「 ..ㅎㅎ 危なかったな 」















そう上から俺を見下ろしながら言う先生。俺自身も上半身を起こして、"本当ですよ" と一言。















🐯 「 でもユンギのことだからなんか察して来るかと思ってた 」















🐰 「 ユンギ先生って普段ならお構い無しにカーテン開けてきそうですもんね 」















先程から何度も名前に出しているのは "ミン ユンギ" 、保健室の先生だ。いつもは塩対応なことで有名だけど、だからこそ不意に見せる笑顔に堕ちる女子生徒も少なくないんだとか。そんな彼は察しのいい事でも名が知れており、生徒が悩んでたりしたらすぐ気づくもんだから、まさに保健室の先生としてはうってつけというわけで。
















🐯 「 買い出しにでも行ってきたのかな、あいつ 」















🐰 「 え、知らないんですか?」















🐯 「 黙って入ってきたからな 」















🐰 「 ..は?」














🐯 「 だから俺がここにいると色々面倒なわけ 」















..なるほど。そういう事だったのか。だからユンギ先生はテヒョン先生に俺の様子を聞く素振りも見せなかったわけで。それに先程のユンギ先生の行動、そしてテヒョン先生の言動から、かなり今更だが他の生徒は居ないと予想できる。..と色々と謎が紐解かれる中、先生が再び口を開いた















🐯 「 なあジョングガ 」















🐰 「 ..なんですか?」



































🐯 「 続き、欲しくないの?」















🐰 「 へ、.. 」















🐯 「 だーかーら ..続きだよ、続き 」















そう言いながら俺の指に先生の指を絡めてくる。少しずつ絡め取られる手を見ながら、俺はようやく先生の言葉を理解した。















🐯 「 どうなんだよ、ジョングガ 」















🐰 「 ..い、いや、..流石にバレますって、」















🐯 「 大丈夫なんじゃねぇの 」















先程まであんなにも用心していた先生はどこへ行ってしまったのだろうか。大体ほんの数分前までユンギ先生の話をしていたというのに。察しの良いユンギ先生が壁越しに居る中で、"続き" をするなんて。あまりにもリスクが大きすぎる。















🐰 「 ダメですよ、..絶対バレます 」
















🐯 「 お前が声出さなきゃバレねぇと思うけど?」















🐰 「 ..そういう問題じゃ、」
















🐯 「 あ、自信ないんだ 」















🐰 「 ..な、なにが 」















🐯 「 俺に抱かれたら絶対声出るって思ってんだろ 」















🐰 「 っ ..は、」















🐯 「 前だってすんげぇ声出てたじゃん、まあ旧高校校舎だったからよかったけど 」














🐰 「 いや、..あ、あれは 」















🐯 「 はいはい、もういいから 」















そう動揺する俺の言葉を遮りながら言う先生。















🐯 「 ほら、早く選んで?」















悩む必要なんてない。断らなければ。..絶対バレるに決まってるんだから。というか、それ以前に保健室で犯されるだなんて。..そう思いながらも、中々口が開かない。そうこうしている間に、再びドアの開閉音が聞こえ、俺の名前を呼びながらこちらへ近づいてくるユンギ先生の足音が部屋全体に響いた。















🐭 「 ジョングガー 、起きてんなら返事しろー?開けるぞ?」















そう間仕切りカーテンの端が掴まれる。どうする、この状況。助けを求めるように先生の顔を見れば、"どうすんの?ジョングガ" "早く決めて" そう口パクで言ってくる先生。..ああもう、このドSめ。絡められた手に思わず力がこもると、先生からも強く握り返される。その瞬間、俺は思わず言葉を発してしまった















🐰 「 ..あ、開けないでください 、!」















🐭 「 え?なんで?てか起きてたのか 」















🐰 「 ..あ、はい、その ..もう少し横になってたいんで 」















🐭 「 ..そうか、じゃあ何かあったら出てこいよ?受付に居とくから 」















🐰 「 はい、ありがとうございます、」















やり取りを終えた後、ユンギ先生は受付に戻って行った。..ああ、やってしまった。このままこのベッドの上に居るということは、..つまり先生との"続き"を欲したということに値する。














案の定先生を見れば、ニヤりと口角を上げて俺を見てくる先生の姿が映る。

























🐯 「 変態 」















🐰 「 っは、?..うるせ、っ.. 」















🐯 「 やっぱ犯されたかったんだ 」















🐰 「 べ、..別にそんなんじゃねぇし 」















🐯 「 じゃあなんでさっきあんな嘘ついたんだよ、眠くないくせに 」















🐰 「 ..いや、眠いし?普通にもっかい寝ようかなって .. 」















🐯 「 俺と一緒に居るのに?」















🐰 「 ..それどういう意味、」















🐯 「 俺のこと考えたら眠れなくなんだろ?」














🐰 「 ..それは、」















🐯 「 もう無理すんなって ㅋㅋ 」















そんなやり取りが終われば俺の腕を引っ張って、鼻先が触れそうな程に顔を近づけてくる。端正な顔に見つめられていると思えば、耳を刺激するほどの低音でこう囁かれた。

























































🐯 「 もう俺のことしか 」





























🐯 「 考えられなくしてやるよ 」




































































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