第36話

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2021/04/20 10:27
少し落ち着くために、先生の斜め前に座ろうと椅子を引くと















🐯 「 あれ、そっち座んの?」















と言葉を飛ばしてくる先生















🐰 「 ‥あ、はい、‥まあ 」















そう曖昧な返事を返すと、左どなりの椅子を引いて、ぽんぽんと椅子のクッションを触る先生。まるで幼い子供にするように "おいで" と言う顔で見つめてくる。だが俺はなんの抵抗も無く、言われるままに先生の指示に従った。本当に、どうかしてしまったのかもしれない。















🐯 「 それ、私服だよな 」















席に着くやいなや、机に肘をつきながらそう話しかけてくる先生















🐰 「 はい、」















🐯 「 ふーん 」















🐰 「 ‥なんですか 」















🐯 「 似合ってるなーと思って。かっこいいよ?ジョングガ 」















いきなりすぎて心の準備が出来ていなかったのか、一瞬にして顔が火照るのが分かった。普段なら"かわいい"とおちょくられるが、久々の"かっこいい"という言葉に、少し嬉しさを覚えたのも、この火照りの原因にあたるだろう。初めて先生に私服を見られるというのもあって、新しい服を着てみたのは、案外正解だったのかも。















いや乙女か!とツッコミたくなるが、好きな奴の前でなら、男だってそこら辺の見栄ぐらい張りたくなるものだ。















🐯 「 ジョングガ 」















🐰 「 はい?」















そう名前を呼ばれた拍子に先生の方に顔を向けると、首元へと腕が回される















まさか家で?という考えが脳をよぎった。いや、流石にまずいだろ。まあキス自体大問題だが、家に来てまで手を出してくるだなんて。という俺の中の何かが、先生の腕を遮るように指示してくる。反射的に先生の腕を払い、こう一言















🐰 「 さすがに家でって言うのは‥ その、‥ 」
















すると先生は、キョトンとした顔のまま















🐯 「 え?何が?」















と再び俺の首元に手を持っていく















🐰 「 いや、だから‥ちょ、」




















🐯 「 ‥ほら、タグ 」















🐰 「 ‥え?」















🐯 「 だから、タグ付いてるってば 」















ゆっくりと後ろを見ると、先生が服のタグを軽く掴んでいるのが見えた。それは、新品の服が仇となった瞬間に等しかった。

























🐰 「 ‥え、た、タグ?」















🐯 「 ‥あ、もしかしてキスするとでも思った?ㅎㅎ 」















と俺の心の内を読む先生。ニヤッと口角を上げ、あの意地悪な表情で俺の事を見つめてくる。図星だからなんとも言えず、俺はただ口篭るだけ。















🐯 「 腕回しただけでキスされると思うとか ㅎㅎ 」















🐯 「 ほんとジョングガって変態だよな ㅎㅎ 」















🐰 「 は、!?や、ち、ちげーし、っ!」















🐯 「 何が違うの?俺なんか間違ったこと言ってる?ㅎ 」















🐰 「 いや ‥それは、‥ 」















🐯 「 いいぞ、別に 」















そういうなり、タグを掴まれていた手を首の後ろに回され、ゆっくりと顔を近づけてくる先生。そして上目遣いでこう言われた。
























🐯 「 そんなに俺のキスが欲しいんなら 」

























🐯 「 ジョングクのお母さんに見つからないとこで、こっそりしてやるよ?」



































🐯 「 それで満足かな?変態ジョングク君?ㅎ 」




























































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