帰り道、いつも通りジミナと2人で横並びで帰っている。すると、使い古したリュックサックが妙にずしっと重くなる。どうやらジミンに腕を回されているようだ
🐣 「 なあ、今日の補習どうだった?」
🐰 「 っ え?な、なに急に 」
と明らかに動揺丸出しってことは、親友のジミンでなくても見て取れる
🐣 「 別に?」
🐰 「 ‥そ、んまぁ普通に、‥いつも通りってとこかな 」
🐣 「 ふーん 」
とジミンは完全に納得行かない様子だったが、下手に喋るとボロが出ると判断したジョングクは、なるべく彼と顔を合わせまいとジミンと反応側に顔を背けた。あくまでも自然に。だがそれは完全に逆効果で、横を向いた拍子に服からチラリと顔を出した "先生の印" に察しの良いジミンが気づかないはずがなく、今度はまた別の意味で
🐣 「 ふーん 」
と声を漏らす。だがその声の意味を読み取れるほど、ジョングクにはまだ心情読み取り能力が備わっていなかった上に、読み取ろうと試みるほどの余裕は、顔を真っ赤にしたジョングクには微塵もなかった
羞恥心。この言葉がまさにピッタリと当てはまるかのように、俺は顔を真っ赤にさせ、部屋の中で1人背中を丸めさせていた。
家に着いてからふと鏡を見てみると、丸出しになった "先生の印" が完全に露わになっており、必死に隠そうとするももう手遅れ。完全にジミナには見られただろうと後悔の念が押し寄せまくり、俺は慌てて部屋に入った
勢いでリュックを下ろし、そのまま速攻ベッドにダイブした。そして背中を丸め
🐰 「 ぁ゙ぁ ~~ っ 」
と声にならない声で叫ぶも、この気持ちはもうどうにもなることができず、意図的に浄化されるのがオチだろう。その浄化と言うのは、おそらく先生からの "続き" である。このまま何もしないで自分の気持ちを整理するというのは、情けないが絶対に今の俺には無理だ。なら誰かからこの気持ちを否定するような、何か強い刺激を得なければならない。そうなるともう答えは目に見えているではないか。
しかしキスされただけであんなにも腰がガクガクとなりそうだったのに、あの先は一体どんな事が待っているんだろうか。俺はもしかして、開けては行けない扉を開けようとしているのか?と自問自答を繰り返すが、それはあくまで先生に組み敷かれる前提の話。この話でことを進めてしまっている自分にもまた呆れ、俺の思考は大忙しだ。だがそのまま寝落ちするくらいだから、もしかしたら内心そこまで焦っていなかったのかもしれない
next ♡ × 30
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!