第42話

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2021/05/01 13:20
あれから30分ほど経っただろうか。相変わらず先生の際どい発言は続き、俺は完全に参っていた。せっかく来た母の電話タイムも、先程とは少し異なるキスによって呆気なく無駄にし、理由を当てるどころか、発言さえもままならない状態が続いていた。















オンマ 「 ‥あら、もうこんな時間 ‥そういえば先生、お急ぎなのよね、ごめんなさいねこんなに長く時間をかけてしまって ‥」















ああ、本当だよ。お陰で死ぬほど疲れたよ。



















🐯 「 いえ、全然大丈夫ですよ。」
















🐯 「 僕自身も、とても楽しかったので ㅎㅎ 」







































オンマ 「 先生、今日はありがとうございました。 ‥また是非いらしてくださいね 」















🐯 「 ㅎㅎ はい、こちらこそありがとうございました 」















重いドアを開け、玄関で決まり文句を言い合う2人をよそに、俺は若干不満ったらしい様子で先生の隣に立っていた















🐰 「 で、なんで俺が送っていくわけ?」















🐯 「 嫌ならいいんだぞ 」















🐰 「 いや、まあ ‥別に嫌とかじゃないけど、」















オンマ 「 なら送ってってちょうだいね、じゃ先生、今日は本当にありがとうございました 」















🐯 「 はい、こちらこそ 」















そういうなり会釈をしながらそっとドアを閉める母。ガチャ、という開閉音が、先生と二人きりになったということを証明するようだった。






























帰り道。辺りはもう暗くなって、街灯が街を照らしていた。俺の半歩前を歩く先生の横顔は相変わらず美しく、下手したら見惚れてしまう。なんだろう、何か言いかけたんだけど、‥なんだったっけ、

















ドア前での会話を最後に、俺らには沈黙が流れていた。けれどその沈黙を破るように、先生が口を開く















🐯 「 結局、答えられなかったな 」















🐰 「 ‥え、‥あ、!でもそれは俺が答えようとする度に先生が ‥ 」















🐯 「 俺が何?」















🐰 「 ‥き、す ‥してくるからだろ、」
















🐯 「 ㅎㅎ そんなの無理矢理口離せば良かったんじゃないの 」















🐯 「 なのにされるがままのお前が悪い 」















🐯 「 異論は?」
















🐰 「 ‥ないです 」















またもや言い負かされてしまった。このゲーム、どうやら俺の完敗のようだ。確かに先生のどの行為も、やめさせようと思えばやめさせられたはずだ。それでもされるがままだった、これは明らかに、俺の方に非があると言えるだろう。にしても、先生と2人きりになるとどうも調子が狂う。事実、先程の不満原因すらも忘れかけていたのだから。


















































そんなことを考えながら、目の前でちょうど下りた遮断機と、点滅する踏み切りの警報機を前に足を止める。すると先生がこう一言















🐯 「 ‥でもまあ、俺的にお前の反応見れて面白かったし 」




















🐯 「 正解、教えてやるよ 」




















🐰 「 え、‥ 」




















俺を散々悩ませたあの"理由"とは一体何だったのだろうか。そう思い先生の顔を見つめると、再びゆっくりと口を開く先生















🐯 「 理由は ‥ 」















と先生が言いかけた時だった。警報機の機械音と共に、物凄い勢いでレールの上を走る列車の音によって先生の声はかき消され、その声の通り道は呆気なく断たれてしまった。
















🐰 「 え?なんて‥ 」















なんとタイミングが悪いのだろう。聞き返した所でちょうど列車は通り過ぎ、遮断機が定位置へと戻っていく。何事もなく歩き出す先生を見ながら、俺は再び聞き返すなんてことはしなかった。もう理由なんてどうでも良くて、ただ先生と歩いている、この瞬間を味わいたいと思ったからだ。先生より半歩後ろに下がって、時々横顔を見る。先生の横顔を見ると、色々とどうでも良くなってくるんだ。幸せだって、ただそう思うだけ ___

































































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